舌のケアについて

こんにちは、みろ歯科歯科助手 星野です。

最近また一段と寒くなってきて、朝車のフロントガラスが凍ることも増えてきました。寒さに負けないで、体調管理に気をつけて生活していきたいです。

今日は舌のケアについてお話しさせていただきます。

みなさんは舌のケアは行っているでしょうか?

舌には体質や内臓の状態が表れやすいと言われています。東洋医学(中医学)では、舌の観察は古くから舌診と呼ばれ、重要な役割を果たしてきました。舌診では、舌そのものと舌苔と呼ばれる付着物を分けて観察します。このうち、舌苔の色や厚みは全身の健康状態の指標としたり、胃炎、食道炎、膵臓病などの予測と診断を助けたりするために、長い間使用されてきました。

この舌苔は口腔の健康状態とも強く関連しています。舌苔の量が多いと深部で嫌気性菌の数や割合が増し、口臭の原因となります。そのため、舌苔が目立つときはケアをすると口臭予防に有効です。

舌苔は、剥離した上皮細胞や糸状乳頭の角化物、食物残渣、細菌、真菌、死菌、血球成分、唾液成分、色素などが乳頭と言われる部位に溜まり白く見えてしまうものです。

健康な人でも喫煙者の舌苔では非喫煙者の舌苔に比べて、口臭や歯周病に関連する組菌が多くみられるなど、生活習慣も舌苔の細菌構成に影響を与えます。

舌苔は唾液分泌の減少、口腔清掃不良、歯周病、義歯装着、喫煙習慣などが歯科臨床で確認できる舌苔が蓄積しやすい要因として挙げられます。また、加齢やホルモンバランスの変化、緊張状態やストレスによっても唾液分泌は減少し、舌苔の付着に影響するとも考えられます。さらに、唾液流量が正常でも、睡眠時無呼吸症候群や鼻疾患などで口呼吸になると、舌苔が付きやすくなります。

舌苔を少なくするためにはケアが必要です。舌のケアに使用する清掃具にはいろいろな種類があります。清掃部の形状には、ヘラタイプ、ブラシタイプ、マイクロファイバータイプなどがあります。ヘラタイプとブラシタイプが合体した製品もあります。また、清掃部の素材には、プラスチック、エラストマー樹脂、ナイロン繊維、金属などがあります。清掃具の使い方は共通していて、舌をなるべく前に出し、清掃部を舌の後方部にあて、後ろから手前に優しく引くように数回動かします。

「歯ブラシで舌清掃をしてはいけませんか?」と思うかもしれませんが、実は歯ブラシと舌ブラシの舌苔除去効果は変わらないという研究報告もあります。しかし歯ブラシは歯を磨くのに適した硬さで設計されていますので、舌のケアで使用する場合は力の入れ加減に工夫が必要です。また、歯ブラシにはヘッドの高さがあるので、奥に届かないことがあります。なので、清掃効率が高くなるよう工夫が凝らされている舌ケア用の清掃具をお勧めしています。

口腔ケアの対象は歯と歯肉を含む口腔全体であることが広く認識されてきているので、この機会にぜひ舌のケアを行ってみてください。