歯周病のかかりやすさ

みなさんこんにちは。
 宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の小針です。
日中はぽかぽか暖かく、過ごしやすい日が増えてきましたね! 夜はまだ少し肌寒い日もあるので、体調管理に気をつけていきましょうねっ!
 さて、今回は『歯周病のかかりやすさ』についてお話ししていこうと思います!
〈バイオフィルムには色々な種類の細菌がいる〉   歯に付着する細菌の塊をバイオフィルム(プラーク)といいます。このバイオフィルムには悪玉菌と善玉菌がいます。どれがお口の中にいるかは人によって違います。まず、悪玉菌がいない人は一安心。悪玉菌は「極悪」と「ちょい悪」がいて、極悪菌がいる人は歯周病が重症化しやすくなり、ちょい悪菌しかいない人こ歯周病はマイルドです。それでも、磨き残しが多いと、ちょい悪菌の菌量が増えてマイルドでは済まなくなります。
〈歯肉からの出血の有無により病原性は変わる〉
①出血がなければ、細菌の病原性は低いまま
 極悪歯周病菌(レッドコンプレックス)が生きていくには、鉄分とタンパク質が不可欠です。血液はヘム鉄をたっぷり含む「赤血球ヘモグロビン」と良質の「血漿タンパク質」を含んでおり、血液という最高の栄養を得た極悪菌は、大きく毒性を高めます。→(均衡バランスが大きく崩れる)しかし、歯肉が健康で出血がない状態を保っていれば極悪菌の毒性が低いため、歯周病のリスクが低くなります。→(均衡バランスが保たれている) バイオフィルムに極悪菌が棲み着いていても、栄養さえ与えなければ歯周病の発症は防げます。
②磨き残しが栄養素を生むきっかけに
 歯磨きでバイオフィルムを100%落とし切れる人はほとんどいません。磨き癖で残る所は大体いつも決まっているので、磨き残されたバイオフィルムにいる細菌は、じわじわと毒性を高めていきます。やがて、均衡バランスが崩れ始め、歯周組織に炎症が起こり歯肉からの出血が始まります。  歯磨きで出血すると、歯ブラシで歯肉を傷つけたと思う方もいると思いますが、そこで歯肉の傷を治し出血を止めようと歯磨きを控えたり、軟らかい歯ブラシに替えると、磨き残しが増えてより歯肉の炎症が悪化し、かえって出血が増えます。歯を磨いて痛み無く出血するのは歯肉に炎症が起きたサインです。なので、しっかりとした歯磨きのやり方が大切になります。 また、普段の生活で口呼吸の方は要注意!鼻呼吸と比べると口呼吸は、お口の中が乾燥しやすくなります。乾燥する事により、バイオフィルムも乾燥し硬くなり、歯ブラシをしっかりと当てていても、上手く落とせず磨き残ししやすくなるからです。
〈免疫力〉
①免疫力と歯周病は関係している
 歯周病菌の攻撃から歯肉を守っているのは
「体の免疫」です。免疫力が低いと歯周病が進行します。免疫力には生まれつきの遺伝と年齢が影響していて、加齢によって免疫力は低下します。また、抗菌成分が含まれている唾液も、加齢によって分泌量が減ります。
 ②免疫力は生活習慣によって大きく左右される  喫煙・飲酒・ストレス・睡眠不足・運動不足、現代人は免疫力が低下しやすい環境に囲まれています。体に悪い生活習慣は免疫力を弱め、毒性との均衡バランスを崩壊させます。体に良い生活は歯肉にも良い影響を与えるので、栄養・運動・睡眠・ストレスに注意しましょう。そして、タバコは百害あって一利無しです!
〈お口の健康を保つ主治医は患者さんご自身〉  色々と歯周病にかかりやすい要因についてお話しさせて頂きましたが、やっぱり1番大切なのは、
毎日のセルフケアが主役です!歯科医院で受ける定期的なクリーニングはあくまでもそのサポートになりますので、セルフケアをしっかりとしてあげて、歯周病菌の菌量を減らしていきましょう!
 最後まで読んで頂きありがとうございました。