酸蝕歯(さんしょくし)について

みなさんこんにちは。
宇都宮市みろ歯科、 歯科衛生士の小針です。
 急に雪が降ったりする日もあり、まだまだ寒い日が続きますが、 風邪やコロナなどに気をつけて、 体調管理をしっかりとしていきましょう!!!
 さて、今回は酸蝕歯(さんしょくし)についてお話ししていこうと思います。
みなさんは酸蝕歯という言葉を聞いたことはありますか…?
 簡単にご説明させていただくと、 虫歯は虫歯菌が出す酸で歯が溶けてしまいますが、酸蝕歯は、
食べ物や飲み物に含まれる酸で歯が溶けてしまいます。 虫歯のない綺麗なお口の中でも歯は溶けてしまうので注意が必要です!
 ここからは、もう少し詳しくお話していきます。
〈酸蝕歯とう蝕(虫歯)の違い〉
・虫歯は一部、酸蝕歯は広範囲
虫歯は、虫歯菌が出す酸によって歯が溶ける病気で、歯の溝や歯と歯の間など、汚れのたまりやすい場所から歯が溶け始めます。ですので、虫歯のできる範囲は限らています。
 それに対して、酸性の食べ物や飲み物がお口の中に入ってきて、繰り返し歯と接触することで溶け始める現象を「歯の酸蝕」と言い、酸蝕によって病的に溶けてしまった歯を「酸蝕歯」と呼んでいます。飲食物はお口の中全体に行き渡りますから、広範囲の歯に被害が拡大します。
 ・胃酸でも歯は溶ける
歯が溶ける原因は、虫歯菌の出す酸だけではありません。身近な市販の酸性飲食物でも、その食べ方・飲み方次第では歯が溶けます。この場合、酸性飲食物を摂った直後の歯の表面は軟らかくなっています(軟化)。また、持続性の嘔吐がある場合でも、胃酸の影響で歯が溶けます。
〈唾液が酸を中和する〉
酸性飲食物を飲んだり食べたりしても、すぐに歯が溶けずに済んでいるのは、唾液が歯を補し続けているからです。唾液の洗浄作用により酸が洗い流され、また緩衝作用により口腔内が中和され、さらには唾液に含まれるミネラル成分によりエナメル質が補修されて、「溶ける+補修する」というバランスが保たれることで歯の健康は維持されています。
 また、逆流性食道疾患など内因性酸蝕歯では、この唾液の作用が、歯だけでなく胃食道にまで及ぶことで、外部から届きずらい、部位におけるクリアランス向上に重要な役割を担っています。
〈酸蝕歯になりやすい飲食物・食べ方・飲み方〉  酸蝕歯になりやすい飲食物として、コーラやオレンジジュースなどのソフトドリンク、黒酢やリンゴ酢などのお酢系飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、柑橘類などの果実、酢の物などが挙げられます。これらの飲食物を、毎日のようにちびちび飲んだり食べたりしていると、酸が歯に触れる時間が長くなって酸蝕歯になる確率が高まります。
〈酸蝕歯予防対策〉
 残念ながら、体に良い食習慣がすべて歯にも良いとは限りません。酸蝕歯は、虫歯や歯周病とは異なり、ブラッシング(歯磨き)だけでは防ぐことはできません。実は、日常生活には酸蝕歯のリスクがたくさん潜んでいます。