虫歯のリスクの評価

みなさんこんにちは、宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の新藤です。

今や秋の空気が広がり、秋の虫の音や金木犀の香り、木々も紅葉を見せて来て、身近に秋を感じる事が増えてきましたね。朝や夜も涼しくなり過ごしやすなってきてますが、まだ日中が暑かったりするので皆様風邪など引きやすくなるかと思いますので寒暖差には注意しながら過ごして頂けると幸いです。

さて、今回は皆様に虫歯のリスクの評価についてお話しようと思います。

皆様ら虫歯と聞くとやはり【削る】イメージが強いと思います。
しかし最近は、削る治療よりもマネジメント『歯を守る治療』へシフトしてきています。
国内外では、このマネジメントのモデルが色々と考案されてますが、実際は多種多様になります。
個人個人の患者さんが一定期間内に虫歯を発症する確率、または既に存在する虫歯の大きさや活動生に変化が起こる可能性を明らかにする事が、リスクの評価に繋がりますが、これは患者さん自身の気づきから一つ一つ判断し、予防プランを考える資料にもなります。
こちらも、定期的に行うことで虫歯にならないように予防をする重要なステップとなります。

①患者さん自身で気が付くこと
・虫歯は何が原因で起こるのか知ること
・虫歯のリスクを改善するために、自分自身が何をするべきなのか知ること

②診察の判断を参考にする(こちらは歯科医師や歯科衛生士の判断)
・クリーニング時のケアプランの判断
・削る治療になるか、削らずに様子を見るかの判断

③予防プラン
・メインテナンスの間隔
・自分自身がどれくらい予防に力を入れられるか

これがある程度のリスク評価になります。

ただ、虫歯のリスクは絶えず変化していきます。
乳幼児の乳歯が生えてきた時はもちろん、ライブイベントが発生した時にも再評価することが大切です。
就学前や学校に通っている小児を対象とした研究によると、1,2年の間に約50%がよくも悪くもリスクカテゴリーを変化させています。また成人やフレイル高齢者においても、慢性疾患の罹患率が高かったり、口腔乾燥を引き起こす薬剤を服用していたり、老化を考慮すふた、同じようにリスクカテゴリーを変化させる可能性が非常に高いです。更に、近年では平均寿命が延び、残っている歯の本数が増えるにつれて、歯根面の虫歯のリスクアセスメントが活発に行われています。
たとえ、3歳でも93歳でも、生涯を通じて定期的にリスク評価をする必要があります。

上の図は虫歯のリスクが変化しやすい年齢です。この年齢は非常に重要なので、諸々考慮しなければなりません。
具体的に、ライフステージ別に見ていくと、最初は初めて歯科医院を訪れるとき、すなわち乳歯が出てくる頃です、次に第一大臼歯(6歳臼歯)が出てくる頃です。頭を出して間もない永久歯は虫歯になりやすい事が知られています。3番目は思春期である10代の時期です。もう1つの明らかならリスク年齢は、高齢者になり唾液分泌量が減少し、ポリファーマシー(単に服用する薬剤数が多いのみにならず、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服用過誤、服用アドヒアランス低下等の問題に繋がる状態)になった時です。
また、虫歯のリスクは個人の年齢変化だけでなく、社会経済的な変化や、住民参加型の口腔保健プログラムの結果として、地域レベルでも変化する可能性があります。

そのため、全ての人がこういうリスクがある、というわけではありません。年齢に応じて、食習慣の変化、フッ素入りの歯磨き粉の使い方が適切か(歯磨き粉の量は多く、すすぎは少ない方が虫歯リスクは下げられます。)、こういった所でも虫歯リスクを変えられます。

色々と難しい所もあると思いますが、このリスクをご自身で理解し、評価しながら歯医者さんに通って頂き、歯科衛生士に相談する事で将来的な虫歯を予防でき、更に美味しい食事をとる事ができると思います。
私たちの歯を守るため、このリスク評価のことを少しでも思い出して頂き、定期検診に来ていただけると幸いです!