小児のシュガーコントロールについて

みなさんこんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山根です。暑い夏が終わり、過ごしやすい秋の季節がやってきましたね!だんだん布団から出るのが辛くなり、季節の移ろいを感じております…笑
朝晩冷え込むので、みなさん体調には気をつけていきましょう!

さて今回は、小児のシュガーコントロールについてお話ししていきます。
むし歯予防において3歳ごろまでの食習慣は特に大切になっていきます。食習慣の形成という側面でも重要な時期であり、その意味でも極力砂糖を多く含む食品は避けていただきたいです。しかし、現代の一般的な環境では全く砂糖を口にしないという生活は難しいため、どんなところをどの程度気をつけたらいいのか説明していきます。
まずシュガーコントロールとは甘いもの禁止ということではありません。
WHOは食事、栄養と慢性疾患の予防のなかで、制限すべき糖を「遊離糖」と表現しています。遊離糖とは、食品や飲料の加工調理で加えられる糖を指します。また、はちみつ、シロップ、果汁、濃縮果汁などに自然に存在する糖も含まれます。新鮮な果物や野菜に含まれる糖、母乳や牛乳に含まれる糖は含みません。WHOはファクトシートで、「糖を添加した飲料、たとえば果物ベースの甘味飲料やミルクベースの甘味飲料、100%果汁などが、また、菓子、ケーキ、ビスケット、甘味シリアル、甘いデザート、ショ糖、ハチミツ、シロップ、および保存料などが遊離糖の主要な供給源」としています。つまり、糖であればすべて制限すべきとしているのではなく、加工食品に加えられる糖や、調味料として加えられる糖を問題視しているといえます。
ではむし歯リスクを最小限に抑えるには、1日どれくらいまでなら摂取していいのでしょうか?
WHOのガイドラインでは、遊離糖の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に、理想的には5%未満に制限することで、生涯を通してう蝕リスクが最小限になるとしています。
摂取量の目安としては1日約25g以下と示しています。計算しやすいよう砂糖で考えると、大さじ3杯弱、もしくは小さじ8杯強という程度の量です。たとえば、500mLのコーラ1本には約60gの遊離糖が含まれますので、それだけで基準の倍以上となってしまいます。かなり厳しい基準のように感じられるかもしれませんね…。
このWHOのガイドラインで引用されているブラジルの研究では、3歳児の砂糖消費量とう蝕の増加について調べていますが、実際、食事ガイドラインを採用している園に通う子とそうでない子を比べた場合、ガイドラインを採用していない園の子どもの方が、1日の平均砂糖消費量が倍多く、1年以内のむし歯の増加率が4.87倍も高いという結果が出ました。
ガイドラインで上限を設定すると、実際の摂取量はその上限よりもさらに少なくなる傾向が見られており、本研究からは、1日の砂糖の消費量とう蝕との関係はもちろんのこと、基準を設けることの重要性も強く感じることができますね!

最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回また続きをお話ししていきます♪