歯周炎!顎の骨がなくなる⁈

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。
子供達が学校で「東武宇都宮線フリー乗車券」というのをもらってきました。2023年6月10日から東武宇都宮線の愛称を1年間限定で「いちご王国ライン」として、各駅の駅看板を限定仕様に変更したり、イチゴの装飾をまとった特別列車を運行するそうです🍓
普段、車生活になってしまっていて、なかなか電車に乗る機会がないので、子供達と電車で遊びに行ってきました。子供達はとても楽しかったようです。私もいい気分転換になりました。
さて今回は、歯周炎と骨についてです。
骨には破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞という細胞があります。
骨芽細胞は、骨が折れたりヒビが入った時に元に戻そうとする細胞です。
骨細胞は、破骨細胞や骨芽細胞に指示を出している細胞です。
歯周病にとくに関わりがあるのが破骨細胞です。
破骨細胞は主に古くなってしまった骨を吸収する事で骨の新陳代謝を行います。私たちの体を守る免疫細胞である白血球のマクロファージという細胞を聞いたことがありますか?マクロファージは私たちの身体に入り込んだ「異物」である細菌などを食べてくれる細胞です。破骨細胞は、そのマクロファージの素となる前駆細胞が合体して出来た大きな細胞です。
破骨細胞は、酸やタンパク質、分解酵素を放出し、骨を溶かします。非常に硬いことで知られる象牙の上に置いても骨を溶かしちゃうそうです。すごい破壊力ですね。
これが過剰に働くと、骨粗鬆症や関節リウマチ、そして歯周炎などの方破壊の原因になります。
では、なぜ破骨細胞は骨を溶かしてしまうのか?
お口の中で見ていきましょう。
歯周組織に感染と炎症が起こると状況が一変します。
体の中の免疫細胞がやってきて統括し始めるのです。
免疫細胞は「自分」と「自分でないもの(細菌やウイルス)」を見分け、後者を「異物」として体から排除する働きを持っています。
最近がベッタリとついた歯は免疫細胞からみると巨大な異物です。なんとかこれを体から排除するため、免疫細胞はプラークまみれの歯を支えている骨芽細胞、骨細胞に「働かせろ!」と命令します。その結果、命令された破骨細胞が悪い歯の周りの骨をドンドン溶かしていき、最終的には悪い歯を抜け落とし、感染と炎症は完全にストップします。この時、歯肉は腫れ出血し、膿を出し、歯が揺れ、痛みだします。
私たち人間は歯が乳歯から永久歯に一度しか生え変わらないので、破骨細胞が過剰に働くのを何とかして止めて、大切な歯を守る必要があります。
破骨細胞を止めるには怒っている免疫細胞をなだめる必要があります。免疫細胞が怒っている原因は異物であるプラークです。
少し難しい話になってしまいましたが、この事からお分かり頂けたでしょうか?
私たち衛生士が、なぜ常に歯周検査やおそうじ(スケーリングやSRP)をとくに重要と考えているか。
少しでも早いうちにリスク部位を見つけ、原因である異物(プラーク)を取り除く事が大切だからです。
そして私たちは、患者様のお口の中を毎日管理する事は出来ません。毎日の積み重ねがとても重要になりますので、ご自身での毎日の歯磨きがとても大切になってきます。
私は特に、定期的に検診に来て下さる患者様とは二人三脚でお口の中の環境を良くしたいと考えています。
なので、お口の中のケアについての些細な疑問や心配な事は、是非衛生士に声をかけて下さい。
これからも一緒に頑張っていきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
みろ歯科でお待ちしております。