電動歯ブラシを使いこなすPart2

みなさんこんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の新藤です。5月に入り、梅雨の気配を感じつつも既に初夏にも似た空気を感じるようになりましたね。まだ寒暖差も激しい所があるので体調の変化にはお気をつけて下さい。かくいう私も若干体調を崩しがちなので気をつけようと思います。

 
さて、前回に引き続き電動歯ブラシについてお話させて頂きます!
前回は電動歯ブラシの形態までお話させて頂きました。今日は使用モード等や当て方等をお話させて頂きます。
 
【使用モード】
各機種かなり違いがありますので、必ず、取扱説明書を確認してください。初めて使用される際は、おすすめモードがあれば、まずはそれに従って使用しましょう。次にお口の中の状態や使用状況によって適切なモードがあります。これについては、通っている歯科衛生士や歯科医師に持っている電動ブラシをお見せして適切なモードを選択してもらうのも良いです。
「すっきり磨けない!」と感じる場合、パワーが小さすぎていることがあります。歯磨き圧をかけたり、ブラシヘッドを動かすのでなく、パワーよ選択が適切かどうか確認してみて下さい。
 
【お知らせタイマー】
多くの機種は音や動きによって30秒ごとなど時間経過を知らせる機能がついていますので、確認してみてください。またその時間を意識してみましょう。
機種ごとにおすすめの時間は異なりますが、刷掃時間が短くなってしまうと刷掃効果は低下し、特に歯と歯の間のプラーク除去が顕著に低下するとの報告があります。またブラシヘッドの形状や大きさの差は、一歯あたりに接触ふる時間の差がプラーク除去率の違いとなり、適切なブラッシング時間が異なってきます。ブラシヘッドが小さい機種の場合は、刷掃時間を長くしてブラシの特徴を活かしながらプラークの除去率を上げることができます。
 
【ブラシの当て方
ハンドルの動かし方にはコツがあります!
電動歯ブラシの多くは、音波振動により歯ブラシの毛先が動いているので、手磨きのように小刻みに動かさなくても良いのが特徴ですが、歯ブラシを歯に2〜4秒程度当てて、歯列や歯の植立に合わせて方向を変え、移動させることは必要です。手用歯ブラシと同じように電動歯ブラシ本体を動かしてしまう場合は、慣れるまで「イチ、二、(サン、シ)、イチ、二…」と歯ブラシを移動させるタイミングを声掛けしたり、カウントすると1歯ずつ当てておくということがわかりやすくなります。また、プラークが残りやすい部位があれば、そこから磨き始めることで解決することがあります。
手用歯ブラシに比べてハンドルが太く、振動しているため、ペングリップで持って手首の角度を変えて歯並びに合わせていくよりも、パームグリップで持ち腕を動かして向きを変えるほうが楽に操作できる場合があります。
叢生(歯が重なっている)のある部位や下の前歯
、歯並びのカーブが強いところなどは、歯茎を傷つけたり、プラークが残らないように歯ブラシやハンドルの向きを工夫して歯に当てるようにしましょう。モードが適切であれば、どの機種も清掃後に平滑面を舌で触るとツルツルしているので磨けたつもりになってしまいます。電動歯ブラシは、プラークをこすり取る動きをしなくても良いので、苦手な部位のプラークを視覚化するように赤く染め出しをして意識することも良いです。
【補助清掃用具をプラス!】
シングルタフトに取り替えられる機種は歯ブラシの植毛部分の感覚や角度に工夫があるものは、歯間ブラシやフロスで行うプラークの除去の助けになりますが、まったく使用しなくてよいわけではありません。ブラシの到達できない部分のプラーク除去は、お口の中の状況に合わせて使用してみてください。
 
【その他】
電動歯ブラシは、歯ブラシを細かく動かしたいのに上手にできない方、ステイン(着色)の付着が気になる方、ハードプラークが沈着しやすく手磨きで除去しにくい方、機種によっては動きのコントロールが必要なため、本体を保持することが可能な方、また、家電が好きな方におすすめです。
また、選び方のポイントとしては下記に記します。
①予算やランニングコスト
②メーカーの好み
③プラーク除去のパワー
④刷掃時間
⑤歯茎への当たりの柔らかさ
⑥歯間や歯並びによって磨きにくい部分の清掃のしやすさ
⑦振動や音、ハンドルの大きさや重さ等の感覚
などがあります。
これらをもし、店頭で持ったりして確認できたらその旨を教えて頂けると良いです。
 
これらを踏まえて電動歯ブラシを使いこなして頂けると幸いです。