唾液について

こんにちは!歯科助手 星野です。

すっかり春の陽気になりましたね!とはいえ、夜はまだ少し冷えますので体調管理には気をつけていきましょう!

本日お話するのは唾液の凄さについてです!

唾液の力と香えば、口腔内を洗い流す洗浄作用や、粘膜を守り、食べ物をまとめる「水分」としての作用がしばしば注目されますが、実はその他にも、体を守るいくつもの物質(成分)が含まれているんです。

口は体の「外」から「中」への入口です。空気中には細菌やウイルスがたくさんいますし、食べ物には体に害があるものも紛れ込んでいるかもしれない。そんな外敵から体を守る重要な役割を唾液は担っています。免疫物質だって含まれているんですよ。「指を切っちゃった」なんてとき、傷口を舐めることもあるように、細胞を活性化させる物質もあります。多少甘いものを食べたとしても、どんどんう蝕になることもなく、酢の物やみかんを食べても、どんどん菌が溶けることもないのは唾液の力です。そんな睡液の驚くべき「質」としての力をご紹介します!

唾液中の有効成分による作用は様々です。

○抗菌・免疫作用=様々な抗菌物質により、細菌の増殖を抑制

○緩衝作用=酸性に偏った環境を中性に戻す

○再石灰化作用=脱灰や溶解を阻み、脱灰して失われたカルシウムやリンを補い、再石灰化させる

○歯の保護作用=ペリクルを形成し、歯を保護

○粘膜保護作用=粘膜や歯の表面を覆い、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ

○潤滑作用=食べ物を唾液で濡らし、喉の通りを良くする

○消化作用=ブドウ糖を分解し、消化する

このようにたくさんの成分が含まれており、私たちの口腔と全身を守ってくれています!

たくさんの働きをしてくれる唾液ですが、服用薬剤によって唾液が減ることはご存じですか?日本で主に処方される1,500種類ほどの処方薬のうち4割以上の薬剤に口腔乾燥に関する副作用があります。高齢者は増加し、複数の薬剤を服用している人も多いです。他にも、シェーグレン症候群、頭頸部の放射線治療、糖尿病などでも口腔乾燥が起こります。また、歯科の未治療や中断などにより、噛めなくなる事でも唾液の分泌量は減少してしまいます。

こうした唾液の減少により、何が起こるのか?

① 自浄作用が低下する

ここまで見てきたような睡液の作用が欠けることで、う蝕、歯周病、味覚異常、そして口腔

乾燥(ドライマウス)が起こります。口腔乾燥になると唾液の自浄作用が弱まり、細菌が増殖してしまいます。

② QOLが低下する

口腔乾燥があると、舌がヒリヒリするなど不快感も大きいです。痛みや不快感、そして不安をともなう口腔乾燥は高齢者の約4割が感じていたという研究もあります。

唾液が減ることで、味がわかりにくくなる為、食べる楽しみも激減してしまいます。「近べる楽しみも選してしまいます。

いつも一緒にいるのにほとんど意識してもらえなかった唾液のスゴさについてお話ししました。スゴくないですか、唾液!単なる水分じゃないんです。食べること、話すこと、笑うこと、口腔の機能すべてを支えているんです。そして、唾液は口腔だけではなく、全身の健康を支います。ツバと吐き捨てて、嫌がらないでください。もうツバとは呼ばせません。今後も、唾液を大切に!注目していきましょう。