歯周ポケットのお話

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、衛生士の高木です。
いよいよ3月に入り、卒業シーズンですね。
我が子も今年小学校を卒業します。
あっという間の6年間で小学校入学の時を今でも思い出しします。
また新たな生活が楽しみです!
今回は歯周ポケットについて。
歯周ポケットとは歯と歯茎の間にある溝のことですが、歯周病にかかると歯周ポケットは深くなってしまいます。
<歯周ポケットの深さと歯周病の進行状態>
■歯周ポケットが3ミリ以下の深さが健康な状態
■歯周ポケットが4〜5ミリの深さなら初期の歯周病
■歯周ポケットが6ミリの深さなら重度の歯周病
歯周ポケットが深くなると、その分だけ歯垢や歯石がたまりやすくなり、炎症を引き起こすリスクが高くなります。
この深くなってしまった歯周ポケットは治るのでしょうか。
深くなった歯周ポケットを放置したままでは、将来的に歯周病を発症するリスクを引き下げられません。深くなった歯周ポケットは治療可能ですが、深さによって以下のように治療方法が異なります。
<深くなった歯周ポケットの治療法>
■3ミリ以下の健康な場合はセルフケアを行う
■4ミリ以上の深い歯周ポケットは歯科医院でも治療が必要
歯周ポケットの深さが3ミリ以下の場合は歯槽骨が破壊される前の状態で、セルフケアによる改善を見込めます。適切に歯磨きを行って歯垢を除去することで炎症の改善を見込めて、歯周ポケットを埋められるでしょう。ただし歯石はセルフケアで除去できないため、付着している場合はクリニックで歯石取りの治療を受けることをおすすめします。
4ミリ以上の歯周ポケットが確認された場合は、セルフケアとあわせて歯科医院でも治療を受ける必要があります。深くても歯周ポケットを埋める治療は可能なので、諦めずに歯科医師に相談しましょう。
<深くなった歯周ポケットの治療の手順>
①検査
検査を行い、歯周ポケットの深さや歯周病の進行状況を確認します。歯周ポケットの深さが3ミリ以下で歯石もたまっていない場合は、基本的に治療は行いません。その場合は歯磨きの指導を行い、バイオフィルムの除去をし、検査・治療が終了します。
②口内の清掃
歯周病が認められた場合は口内の清掃を行います。歯垢・歯石の除去によって歯周病の進行を食い止めやすくなり、症状が軽度であればセルフケアのみでの改善も見込めるでしょう。
③詰め物や噛み合わせの確認
虫歯の治療などで使った詰め物や噛み合わせを確認します。これらのポイントに異常があると歯磨きがしにくくなり、歯垢・歯石がたまりやすくなるため改善が必要です。とくに噛み合わせに問題があると歯槽骨が吸収されやすくなり、歯周病が進行するスピードが増してしまいます。
④歯周外科処置
上記の治療を行っても歯周ポケットの深さを改善できない場合は歯周外科処置を行います。薬剤を使って歯槽骨や歯茎を増やしたり、切開をともなう外科手術によって外からでは届かない範囲のクリーニングをしたりといった方法もあります。
歯周ポケットの深さは上記の方法によって改善できますが、効能が永続するわけではありません。せっかくの治療を無駄にしないために、セルフケアを欠かさずに行ったうえで定期的なメンテナンスを受けましょう。3~4ヶ月に1度のペースで歯科健診を受診することで、歯周病を初期段階のうちに治療できます。
定期的な受診で、ご自身の歯を一本でも多く残せるよう一緒に頑張りましょう!