舌下錠とは

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。
3月に入り暖かい日が多くなり、朝晩の冷え込みも落ち着き空気が春の空気になってきましたね。
私は早い時間に洗濯物を干しているのですが、今まで手すりにお湯をかけて氷を溶かすところから洗濯干しが始まっていましたが、最近では花粉を拭き取って洗濯物を干すのが前準備になりました。(笑)
暖かくなって嬉しいのですが、今度は花粉症が辛い季節になってしまいました。我が家では、長女が幼稚園の頃から花粉症になり、一番症状が重く辛そうですが、本人は歴が長いせいか上手く付き合っていて慣れっ子です。
次女と私が同じくらいの症状ですが、ここ2、3年は目の痒み、くしゃみ、鼻水症状が重くなり悩まされています。主人だけ今のところ何も症状がなく羨ましい限りです。
雑談が長くなってしまいましたが、今回はそんな花粉症にも効果があると言われる舌下錠についてお話しします。
まずお口の中の構造です。
舌下錠を置く場所を口腔底と言います。口腔底とは舌と歯肉の間のくぼんだ部分(舌の下の柔らかいところ)を言います。
唾液は口腔底に溜まるようになっています。口腔底は唾液の湖のようなものです。その湖の底を作る粘膜に大きな秘密があります。口腔底の粘膜を見ると、とても赤いのが分かります。これは多数の毛細血管がみえている証拠で、それだけ薄い被覆上皮になっています。毛細血管は一番末梢にある血管で、細胞に酸素や栄養を与え、さらに老廃物や二酸化炭素を運び出す役割があります。運び出す時に粘膜から吸収した物質も一緒に取り込むことができます。それによって、薄い粘膜である口腔底や舌下はさまざまな成分が血液に入る場所として的していると言うわけです。
最近よく耳にする舌下免疫療法は、アレルギー原因物質(スギ花粉)を口腔底に置き、少しずつ体内に吸収させることでアレルギー反応を弱めていく治療法だそうです。調べたところ、アレルギー物質に体を慣れさせていく治療のようです。この方法だと根本的に花粉症を治す事が出来るとのことです。
治療期間が3年から5年。スギ花粉が飛ぶ可能性がある時期を除く6月から11月下旬頃など、治療を始めるには注意する点があるようなので、詳しくは耳鼻科など専門的な医院で診てもらうといいと思います。
その他にも、狭心症という心臓の病気を持っている人は心臓が機能低下した時、すぐに薬を心臓に届けなければ死んでしまいます。飲み薬では効果が出るのに時間がかかるため、口腔底や舌下部の粘膜に舌下錠(ニトログリセリン)を置き、そこから吸収させると、あっという間に毛細血管から心臓に薬が届き発作を止める事が出来ます。
私たち歯科衛生士は、主に歯の周りのプラークやバイオフィルム、歯石、着色を取り除く事をしています。スケーリングやPMTCと言う、皆さんが検診に来てくださった時にさせて頂いているクリーニングです。その他にも歯肉の状態や歯周病の進行度をみる歯周ポケットの検査をしたり、今回お話しした口腔底などの粘膜が正常であるか、舌の状態が正常であるかも診ています。
唾液の重要性も何度かお話ししていますが、今回の口腔底も投薬されたお薬を正常に体に運ぶ為に大切な役割があることをお分かり頂けたと思います。
お口の中には大切な役割をしているところがたくさんあります。舌もその一つです。今後機会があれば舌のお話しもしたいと思います。
皆さんのお口の中が健康に保てるお手伝いをこれからも出来るように頑張っていきたいと思いますので、定期的な検診に是非いらして下さい!お待ちしています!
最後まで読んで頂きありがとうございました。