歯周病と全身疾患との関係

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。
12月に入り、一段と寒くなってきました。年末に向けて色々とやる事があり主婦には忙しい時期になりましたね。寒くて動きたくないなぁ…と思う気持ちにムチを打ち、今年もあと少し!頑張ろう!と気合いを入れ直しているところです(笑)

さて今回ですが、先日『歯周病で菌が全身に周るのは怖いのよ』とお話しを聞きました。口腔内の環境と全身との関係は深く関わっていると思います。

そもそも歯周病はいつ発症するのか?
昨日まで健康な歯肉だったのに、今日突然歯周病になったと言う話は聞いたことがありません。気づかないうちに、痛みがないのに、気づいたら進行していた。と言うのがほとんどです。
一般的に歯周炎は30代から40代に発症することがほとんどで、38歳がピークと報告されています。
歯周病の原因はプラークにより菌が増え、歯周ポケット内に影響を及ぼしていくので、私たちは毎日のケアの重要性をお話ししています。多くの場合は、ご自身でのケアと医院でのメンテナンスで予防、進行を防ぐことが出来ます。

しかし、今回は全身との関係についてです。
歯周病において細菌因子、環境因子、宿主因子など、いくつかのリスクファクターが考えられますが、代表的なのが喫煙と糖尿病です。
まず喫煙についてですが、喫煙者は非喫煙者と比較して、歯周病ポケットが深く、又歯周病治療後の再治療が必要になった人も30%も多かったという結果が出ています。プラスして喫煙者が禁煙した場合、喫煙し続けた人よりも長期的に骨吸収やポケットの深化が少なくなっている事も報告されています。なぜ喫煙によりこのような状態になるかというと、煙に含まれる一酸化炭素が酸素の供給を妨げ、歯肉を始めとした歯周組織が酸素不足になるからです。又、ヤニの表面はザラザラしているので、プラークが付着しやすいこともあります。
見た目にも歯肉の色が悪く、歯にはヤニが着きますし、全身にも悪影響を及ぼします。
さまざまな事を踏まえ、禁煙をお薦めします。

次に糖尿病です。糖尿病患者は糖尿病でない患者さんに比べて歯周炎がより重度になっている事が報告されています。血糖コントロール不良の2型糖尿病患者さんは健常者よりも歯周病率が2.6倍高くなっている事も数値として出ています。

喫煙や糖尿病ほど強い根拠はありませんが、肥満、カルシウム、ビタミンDの摂取不足、骨粗鬆症、ストレスなどもリスクファクターの可能性があると考えられています。これらの要因も歯周治療と並行して修正していくことが推奨されています。

初めにあった、歯周病からの全身疾患との関係ですが、最近では、早産や低体重児出産、冠動脈疾患、脳血管疾患、呼吸器感染、ほかにもアルツハイマー病、前立腺炎、腎疾患、肝疾患なども歯周炎との関係が疑われています。
おもなメカニズムは歯周病に関連した細菌や産生された毒素の直接的な体内への侵入、歯周炎により発現した炎症性サイトカインによる影響などが考えられていますが、詳しいメカニズムについてはいまだに不明な事が多いと論議が続いているそうです。
歯周病からの全身疾患について強く証明していくには、まだまだ完全なる実証は難しいと言われています。

そんな中、私たちに出来る事は何かを考えていかなければなりません。
まずは、歯周病に関しても全身疾患にしても、出来る事をコツコツやる事が必要だと思います。
どちらも心がける事が出来れば一番いいですね!

口腔内の環境を整えてあげる事。まずは、毎日の歯磨きですね!そして、定期検診に来て頂き、歯周病の検査やクリーニングをして歯周病予防をしたり、進行を防ぐ事は第一歩になると思います。
そして、毎日のお食事や健康のための運動や心のメインテナンスになると思います!
これを機に今年一年を振り返り、一年頑張った自分を労われたらいいですね(笑)
そして、来年いいスタートが出来たらいいですね!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。