よく噛んで脳を鍛える

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、技工士の新良です。季節の変わり目で、秋も終わって冬になりそうな今日この頃です。秋は紅葉がきれいだし、寒すぎず、秋の食材も美味しいし、なんだかんだ秋が好きです\( ¨̮ )/

現代の人は噛む回数が昔と比べて減っているようです。噛むことは脳を使います。よく噛むと脳が活性化するといわれています。感覚認知は、食事をした際の感覚入力を分析する脳の働きです。ここで人により大きく差が生まれるのは、食事の記憶、注意、情動などの高次脳機能の情報なのです。色の記憶を鍛えるためには、常日頃から『食事の際にできるだけ多くの感覚を使うこと』がとても大切です。人間は視覚が発達した動物と言われています。食べ物の見た目を大切にし、目でも味わって食べる心がけや、食物からもたらされる味や香り、歯ごたえなどに加えて、食材の背景や食事の思い出を頭に浮かべることも、感覚情報を増やすために有効な方法です。

スーパーで切り身になった魚しか食べずに食するのと、生き生きとした新鮮な魚を知っていてそれを調理して食べるとでは大きな違いが生まれます。電子レンジで温めたご飯を食べるのと、自分で育てて収穫した米を炊いて食べる場合とでは、使われる感覚の量も変わります。よく噛むことで血糖値が速やかに上昇して満腹中枢の活動を活性化し、より満腹感を得られることをわかっています。
歯の数が減ると認知症を発症しやすくなると言われています。歯がほとんどない状態では柔らかいものばかりを食べ、噛む回数が減ります。噛むことによって歯の根の周りや咀嚼筋の神経から脳の記憶を司る細胞に刺激が伝わるのですがその回数が減ることで記憶力の機能の低下が起こることが考えられます。さらに歯を失う過程で歯周病となり、歯の周りに慢性的な炎症を抱えることで血液を介して活性酸素やサイトカインと言われる物質が全身の様々な臓器に影響及ぼし脳にも悪影響を与えることも考えられます。
健康な人と認知症とでは残っている端の数に大きな差があり、残っている歯の本数が20本以上ある人は認知症のリスクは低いと言われています。残っている歯の数が少なくても入れ歯やインプラントなどで噛むことが十分にできる人は、認知症になる確率が低いと言われています。しっかり噛んで美味しく食事することが認知症の予防につながります。