高濃度フッ化物配合歯磨剤の活用法とその効果について

みなさんこんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山根です。
朝晩はかなり寒くなってきましたね!私は朝が苦手なので、毎日布団から出るのが辛いです…
これからもっと寒くなりますので、みなさん体調に気をつけていきましょう。

さて今回は「高濃度フッ化物配合歯磨剤」についてお話ししていきたいと思います。
2017年に1500ppmを上限とする高濃度フッ化物を配合した薬用歯磨剤が厚生労働省から医薬部外品として承認されました!これにより、ドラッグストアなどで高濃度フッ化物配合歯磨剤が購入出来るようになりました。
そもそもppmとは…?100万分率を意味する割合の単位記号になります。(難しいですね…)%で表すと、1000ppmは0.1%F、1500ppmは0.15%F配合されているということになります。
ではフッ化物濃度が上がるとどうなるのか?
エナメル質の歯質を強化したり、脱灰部分の再石灰化を促進するなどの効果があり、う蝕予防効果があがるとされています。二次う蝕や象牙質う蝕予防にも効果が期待されており、高濃度のフッ化物は象牙質の脱灰を抑制することも分かっています。
高濃度フッ化物の利点についてお話ししてきましたが、使用する上で注意することがあります。それは、6歳未満の子どもへの使用は控えるということです。フッ化物はとりすぎると急性毒性と慢性毒性が起こります。高濃度フッ化物配合歯磨剤の使用は、基本的には15歳以上のう蝕リスクが高い人が対象となりますが、6歳以上でう蝕リスクが高く、歯科医師が必要と判断した場合には、高濃度フッ化物配合歯磨剤を使用するケースも出てくると思います。その際は使用量を守ることが大切です。
では特にどんな人が高濃度フッ化物配合歯磨剤を使用した方が良いのでしょうか?
①磨きすぎと酸性飲食物による、歯根露出と知覚過敏が気になる若い人です。近年、硬い歯ブラシで力強く磨くことで、短期間で歯肉が退縮し歯頸部が露出して、極度の知覚過敏を訴える高校生や大学生が多くなっています。また食生活においても、甘くて酸っぱい(砂糖と酸…)飲み物や食べ物を頻繁に口にする傾向があり、歯根露出による知覚過敏の要因となっています。このような場合には、高濃度フッ化物配合歯磨剤使用のほかに、適切な圧力でブラッシングすること、喉が乾いたら水やお茶を飲むなどの指導をしています。
②根面う蝕予防が必要な高齢者です。根面う蝕は、エナメル質よりも軟らかい象牙質にでき、ひとたびできれば進行も早い疾患になります。
③ミュータンス菌レベルが高い人です。ミュータンス菌が口の中にたくさんいる人は、それだけでう蝕になりやすいです。

高濃度フッ化物配合歯磨剤の意味と使い方を正しく理解して、これから効果的に使用していきましょう!!