高齢者の根面う蝕の特徴

こんにちは!みろ歯科歯科助手星野です。
最近は一気に気温が下がってしまって、朝晩も冷えてきましたね。体調を崩しやすくなる時期なので皆さんも注意して、体調管理を行なっていきましょう!
今回は高齢者の根面う蝕の特徴についてお話ししていきたいと思います。
これまで経験された歯冠部う蝕と違い、高齢者になるとリスクが高くなるのが根面う蝕です。
日本では高齢になっても多くの歯が保たれるようになり、8020達成者が平成28年度には50%を超えました。
一方で高齢になっても多くの歯が保たれている事で、その数だけ丁寧なケアが必要にもなります。
高齢者は身体機能の低下や基礎疾患などによる口腔環境の悪化などにより、根面う蝕のリスクが極めて高くなります。
在宅における口腔管理においても、高齢者に多発する根面う蝕の予防と進行の抑制にたいへん苦慮することも少なくありません。
根面は有機質が多く、耐酸性が低いだけでなく、象牙細管を通じて歯の中に細菌が浸入する為、根面う蝕は歯冠う蝕に比べて進行が速く、場合によっては数ヶ月で歯髄に及んでしまうこともあります。
たとえ歯冠部のう蝕リスクが低かった人でも、唾液分泌低下などの要因で多発することもあります。
これまで歯を守ってきた歯を引き続き根面う蝕から守るためにも、これまで以上の丁寧なセルフケアを行う必要があります。
根面(歯の根元の部分)は歯冠部(歯の頭の部分)に比べて虫歯になりやすいです。
歯冠部は、エナメル質と呼ばれる酸に溶けにくい硬い組織で覆われて守られているのに対して、根面はエナメル質に覆われておらず、象牙質が露出しています。象牙質はエナメル質に比べて、酸に溶けやすく、虫歯になりやすいのです。
ではなぜ、高齢者になると根面う蝕になりやすいのか。
それは唾液の分泌量が減るからです。
唾液は虫歯菌によって作られた酸を中和して歯を酸から守る(緩衝作用)だけでなく、酸によって溶けた歯を戻す力(再石灰化)があり、この二つの力で虫歯から歯を守っています。
高齢になると、自然と唾液の分泌量が少なくなります。
また、薬剤の副作用で唾液減少が起きることもあります。その他、放射線治療などによって唾液腺がダメージを受けた時などにも唾液は少なくなります。
歯を守ってくれていて唾液が減ってしまう事で、これまで以上のケアが必要になるのです。
なのでご自宅で出来るセルフケアと歯医者に行き衛生士などに掃除をしてもらうプロフェッショナルケアの両輪で、しっかりと予防をしていきましょう!