令和の虫歯最新情報

こんにちは、宇都宮市みろ歯科歯科衛生士の高木です。
私のインビザライン、3回目を追加して最終アライナーも終わりましたが奥歯の噛み合わせがイマイチなので、奥歯がきちんと噛み合ってくるよう、最終アライナーの前歯部分だけ残すようにカットして、奥歯だけ常に上下浮くような状態で入れるようにしています。
これで2ヶ月くらい過ごすと段々と奥歯が噛み合ってきて理想の口の中が完成するのではないかと思っています!ゴールまであと少し、楽しみです。
今回は虫歯について。昔から虫歯リスクの考え方が言い伝えられてきましたが、その考え方も少しずつ変化しているようです。
◎母子感染
母子感染率は50〜80%程度であることがわかってきていますが、乳児が虫歯菌に感染する場合、母からの垂直感染以外にも保育園などのお友達からの水平感染もあることが報告されています。
なので、過剰なまでに母子のスキンシップを避ける必要はないという考え方が現在では主流となっています。
虫歯リスクの高いお母さんはきちんと虫歯治療を受け、キシリトールガムを定期的に利用するのが感染を効果的に減らすことができるという報告もありますが、まずはご家族で虫歯が多い場合には大人の口腔環境整備と食事習慣の見直しを進めておくことを推奨します。
◎食後30分待ってからのブラッシングは意味がない!?
一時、インターネット上などで「食後の歯磨きは30分待ってからが良い」といった内容があり、歯科現場では混乱したことがありました。
実際には、唾液の存在しない試験管での実験であり、普段の食事の後にブラッシングする場合とは異なります。
その結果から食後すぐの場合と間隔をあけてからのブラッシングで、歯の摩耗の程度に有意の差はみられなかったと最新の論文で結論づけられています。
むしろ、食後30分間ブラッシングを控えることにより食事由来の発酵性糖質を利用してプラーク中の細菌が酸を産生して、歯に付着しているプラークのpHが酸性に傾いてしまうというデメリットが挙げられます。
食事によって口腔内で一時的に増えた発酵性糖質は、食後すぐのブラッシングで速やかに減らすことができますが、ブラッシングせずに長時間放置すると、脱灰が進んでしまいます。
食後は数分以内にブラッシングし、その際にはフッ化物配合の歯磨剤の使用も忘れないようにしましょう!
◎パスタも虫歯になりやすい
甘味を感じる物質には発酵性糖質(砂糖や加工デンプンなど)と低う蝕性甘味料(キシリトールなど)があります。
砂糖が虫歯になるのは皆さんすでにご存知の通りですが、ごはんやパン、パスタなどのデンプンも糖質に分解されるので虫歯になりやすいと言われています。その中でももっとも口腔内のpHが下がるパスタはデンプンの加工食品の中でもっともう蝕になりやすいという報告があります。
◎糖を含む母乳や牛乳の虫歯リスク
母乳には発酵性糖質である乳糖が7%、牛乳には4%含まれていますが、一方で再石灰化に必要なカルシウムや、抗菌作用を有するタンパク質が多く含まれているので、虫歯になりやすいかどうかはいまだに議論の余地があるとされています。
最新の論文では、エナメル質の虫歯病変を誘発する可能性は低いと示されており、この結果は重要だと示唆されているようです。
虫歯は酸性度により影響してきますが、それを緩和させる唾液は口の守り神となります。
唾液についてはまた後で、お伝えできればと思います。