プラークと歯石

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。

秋はあったかな?と思うくらい最近一気に寒くなりましたね。急いで冬物を出して、やっと子供達のクローゼットの衣替えが終わりました。(笑)
紅葉をゆっくり見に行く時間も今年はなく、あっという間に街はクリスマス仕様になり、スーパーにはおせちの貼り紙…なんだか主婦は焦りますね。毎年毎年あっという間に過ぎ去ってしまうのはどうしてかな?と思いながら、子供達との時間を大切にしていきたいと思う今日この頃です。
さて、今回はお口の中のプラークや歯石についてのお話をしたいと思います。
先日、クリーニングに来て頂いてる患者さんに、「毎日ちゃんと磨いてるんだけどなぁ…」「何で歯石とかついちゃうんだろうなぁ?」「そんなすぐついちゃうの?」
と質問がありました。
なので今回はプラークや歯石がどのように形成されていくのかをお話したいと思います。
歯の周りにはペリクルという膜に覆われています。
ペリクルとは歯の表面の無色透明の唾液由来のタンパク質の薄い膜です。このペリクルには細菌は存在せず、歯の脱灰を制御する働きがあります。(脱灰とは、歯の表面が溶けて白く濁った色になって虫歯の始まりになっている事です)歯を保護する役割がありますが、一方で細菌が歯面に付着する足がかりにもなります。
ペリクルは1〜2分で出来上がるので歯磨きをしてもすぐに出来て、常に歯の周りを覆っています。
次にあるのはプラークです。
ペリクルの表面にミュータンス菌などの細菌が付着し、約8時間でプラークは形成されます。
プラークは食べかすとは違い、細菌の塊です。
プラークは長時間たって膜になりバイオフィルムと呼ばれるものになり、歯ブラシではなかなか落とせなくなります。
次に歯石です。
プラークは唾液の中のカルシウム成分などにより、2日で再石灰化が始まります。そこから10日前後で固い歯石になり、その繰り返しで厚みを持った歯石になっていきます。
ここで分かるのは、プラークをつくらせないのが一番いいのですが、お口の中には約1mgに約1億個の細菌がいると言われています。なので、作らせないのは難しいです。
ですから歯磨きが大切になってくるのです。
少なくても8時間以上放っておく事のないようにすれば少しでもプラークや歯石の少ないお口の中に出来るはずです。
ちょっと余談になりますが、プラークと虫歯との関係ですが、プラークの中は酸性で歯の表面が酸にさらされてカルシウムがとけ脱灰がおこり

虫歯となっていきます。

そこで唾液がいい働きをするのです。唾液には酸を中和する働きがあります。唾液で中和され溶け出したカルシウムはまた取り込まれます。それが再石灰化です。これを繰り返しているためプラークがついても必ずしも虫歯になる訳ではありません。
反対にこの唾液の作用により困る事もあります。
皆さんの中でも心当たりがある方も多いと思いませんか?下の歯の前歯の裏側に歯石が多くついてしまう方。
下の歯の前歯の裏には唾液腺が近くあるので、唾液の再石灰化作用によりプラークが残っていると、その場所は歯石が多くついてしまうのです。
ここまでの話で重要なのは、やっぱり毎日の歯磨きですね。
プラークをそのままにしておかない事、増やさない事こそが、歯石を作らない事や歯周病、虫歯にならないようにする事に繋がっていきます。
歯ブラシでは60%〜70%しかプラークを除去出来ません。そこで必要なのはフロス(糸ようじ)や歯間ブラシになります。補助用具を使う事によって除去率は80%〜90%になります。
プラークが付着しやすい歯肉との境目や歯と歯の間は毛先をきちんと当てて細く動かして磨くようにして下さい。
ここまでのお話で少しでも毎日の歯磨きの重要性が理解頂けたら嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。