子どもの不正咬合について

みなさんこんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山根です。まだまだ厳しい寒さが続きますね。コロナやインフルエンザなどに気をつけて、体調管理をしっかりとしていきたいと思います。

さて今回は、子どもの不正咬合についてお話ししていきたいと思います。

多くの方は子どもの仕上げ磨きの時に、虫歯がないかチェックされていることと思います。

今回のお話を通して、これからは虫歯のチェックと一緒に歯並びもチェックしていただけると嬉しいです!
チェックする際に正常な状態を知らないと、今の状態が異常なのか個人差の範疇なのかが分からないため、まずは正常な状態についてお話ししていきます。
2〜6歳ごろの乳歯列期には、歯と歯の間に隙間があることがとても大切になってきます。
5〜7歳ごろの第一大臼歯(6歳臼歯)萌出期には歯の捻れがないかなどがポイントで、虫歯から守ることが大切です。
6〜10歳ごろの上下切歯交換期では、上下の前歯が接触している、正中(上下それぞれの前歯の中心線)が一致する、乳犬歯が残存しているなどがポイントです。
9〜12歳頃の側方歯交換期では、犬歯が萌出する時に前歯が乱れないことが大切であり、下の前歯が重なっていないか、萌出が遅れている歯がないかが大切になってきます。
11〜13歳ごろの第二大臼歯(12歳臼歯)萌出期では、正中が一致し歯の重なりや捻れがないことがポイントになってきます。
この中でも特に、上下前歯の交換期である小学校1年生〜4年生くらいまでの期間に正常な状態を目指すことが、将来の永久歯列で正常咬合になる近道となってきます!

正常な状態をお話ししたところで、今度はなぜ歯列が乱れていくのか?についてお話ししていきます。
正常咬合への成長を妨げる原因として4つの因子が考えられます。
一つ目は萌出の異常です。前歯奥歯に限らず、永久歯に交換する段階で、萌出の位置・方向・角度が悪く不正咬合になっていくことがあります。また永久歯への交換には適当なタイミングがありますが、そのタイミングがずれることがあります。早くですぎたり、なかなか出てこなかったり、埋伏したままになっていたりなど、萌出の時期がずれると、不正咬合になっていくこともあります。
二つ目はスペース不足です。顎の発育が不十分なうちに低年齢で前歯部の交換が始まり、上下4前歯が並ばない子ども達がいます。また永久歯のサイズが明らかに大きすぎる子ども達もいます。このように、顎と歯の大きさのバランスがバランスに異常がある場合、永久歯がそろう頃にはスペースが不足し、叢生や小臼歯の異所萌出、犬歯が唇側に転移するなどにつながります。これらの改善には、抜歯を伴う矯正治療が必要になりますが、成長発育期に見つければ、拡大により抜歯を免れる可能性もあります。
三つ目は習癖です。指しゃぶりや舌癖などがあると、開咬や上顎前突、顎変形症などの重度の不正咬合に移行していくことが多いです。
四つ目は骨格性(遺伝)になります。明らかな骨格性の反対咬合や顔貌などの場合、早くから矯正専門医の管理を受けることが大切になってきます。

これらのポイントをおさえて、これからこまめにお子さまの歯並びをチェックしてみてください!その際心配なこと分からないことがありましたら、いつでもご相談ください!