花粉症と口腔への影響

こんにちは。

宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の高木です。

4月に入り、新年度が始まりました。

学校の春休みも残りわずかですが

コロナ第7波の到来が予測されているようですね。

無事新学期を迎えることができると良いですね!

そして、私のインビザラインは2回目追加をして、最後のアライナー(マウスピース)を数ヶ月入れた状態で止まっていました。まだ歯間の隙間が閉じきれていないので3回目追加のスキャニングをようやくしてもらいました!

何度でも追加して、納得いくまで続けることができるのがインビザラインの良いところ。本当にありがたいです。

本題に入りますが春といえば花粉症スギ花粉はそろそろ落ち着いてくることと思いますが、ヒノキ花粉がまだ残っておりゴールデンウィーク明けくらいまでは辛い思いをする方がいらっしゃるのではないでしょうか。私も毎年スギとヒノキにやられています。

最近は花粉症の人が年々増加の一途をたどっていると言われていますが

花粉症もお口の健康に関係することはご存知ですか?

花粉症の症状でよくあるものとして、「鼻づまり」があげられますが、

鼻がつまると口で呼吸するようになり、そうするとお口の中が乾いてしまい、本来唾液がもつ自浄作用や殺菌作用などが発揮されなくなってしまいます。

このような状態が続くと、お口の中の細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクがぐんと上がってしまいます。また、口臭もひどくなるのでエチケット上でも注意が必要になってきます。

そして、花粉症の症状を和らげる抗ヒスタミン薬に代表される薬の副作用として「口の乾燥」があります。実際にこのような薬の副作用によってドライマウスを引き起こし、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、口の中の痛みや味覚障害などを起こしやすくなることは珍しくありません。

この口呼吸は虫歯や歯周病のリスク以外にも様々なリスクがあります。

例えば、口で呼吸をすることにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることが挙げられます。本来は鼻で息を吸うのが普通であり、体内に入る前にフィルターによって取り除かれるウイルスやホコリなどが、口で呼吸をするとそのまま喉の粘膜に付着し、感染を起こしやすくなります。

また、成長期の段階で口呼吸をしていると、口呼吸に対応できるような歯並びや骨格になっていきます。その状態が長期にわたって続くと、出っ歯、締まりのない顔立ち、下顎が引っ込んだ状態、というような特徴的な顔つき「アデノイド様顔貌」になりやすくなります。歯並びはのちに矯正治療で治すことが可能ですが、骨格が変形して成長してしまうと、骨格からの改善は非常に困難です。

この様に、口で呼吸することは歯の健康だけでなく、体の健康や見た目にも大きな影響が出てくるということが言えるでしょう。口呼吸は、ただ「鼻から呼吸するのが口になった」というだけではなく、意外に多くの悪影響をもたらすもので、「百害あって一利なし」です。

 

 

皆さんもご自身やお子さんが口呼吸になっていないか今一度確認し、口呼吸を長引かせないように早めに歯科、あるいは耳鼻科で相談してみることをおすすめします。

また、花粉症で鼻の症状が起こると、歯には異常が全くないのに上の奥歯が痛く感じられることがあります。その理由として、上奥歯の上方に「上顎洞」と呼ばれる副鼻腔の一つがあり、花粉症による鼻の炎症が原因でその部分まで炎症を起こしてしまうことがあるからです。

 ひびくような、うずくような痛み
 階段を降りる時やジャンプするとひびく
 なにもしてない時にも異和感がある
 体の向きを変えると痛みが増す
 鼻が詰まっていたり、鼻水(着色)がでる
 目の下の奥のほうが痛い 
 全身的な気分の悪さ(倦怠感)を感じる
 解剖学的に副鼻腔が低い位置にある

もしも花粉症の時期に、上記のような症状がある場合には上顎洞炎を起こしている可能性も考えられますので、一度歯医者で診てもらうと良いでしょう。

結論:お口のケアが大切

花粉症による鼻づまりの症状がひどい人、花粉症の症状を和らげる飲み薬を飲んでいる人は、通常よりも虫歯・歯周病のリスクが高まっているということをよく認識しておくことが大事です。そのため、普段よりもより気をつけるくらいの感じでお口のケアをすることをおすすめします。