妊娠中&授乳中のエックス線検査について

こんにちは、宇都宮市みろ歯科 歯科衛生士の中島です。

あっという間に今年も残り1ヶ月となりました。寒さも11月から厳しくなってきましたね!

コロナの感染も落ち着いてきましたが、空気の乾燥や寒さも相まって抵抗力が下がり、インフルエンザ等の感染症もこれから広がっていく可能性もありますので気をつけていきましょう~\(^o^)/

さて今回は、エックス線検査(レントゲン撮影)の被ばくについてです。
妊娠中や授乳中、または他科でレントゲン撮影をしている・したなどで、被ばくを心配される方がいらっしゃいます。

 

結論としては、必要以上に心配はありません。

 

ということですが、細かく数値やエビデンスに沿って解明していきたいと思います。

歯科では治療開始前の診断や治療中、治療終了後の確認時など治療過程でさまざまな検査を行い、より正確な治療を進めていきます。

その中でも、エックス線検査はむし歯の広がりの程度や、顎の骨の中の膿の袋の有無やその大きさの把握など、直接視診で確認する事の出来ない多くの情報をもたらしてくれる有用な検査の1つです。

しかしその一方で、妊娠中または授乳中の患者さんにおいては、放射線被ばくによる胎児や出生後まもないお子さんへの影響を懸念されるのも事実です。

歯科治療におけるエックス線検査には大きくわけて、デンタルエックス線検査(部分的に撮影)、パノラマエックス線検査(顎全体の撮影)、歯科用コーンビーム型CT(インプラント、抜歯困難な親知らずの精査時に撮影)の3つがあります。

最近ではデジタルレントゲン装置によるエックス線検査が主流であり、従来のレントゲンフィルムによる撮影より10分の1~5分の1ていど被ばく線量は軽減しています。それぞれのエックス線検査の特徴と放射線治療被ばく線量としては、もっとも一般的なデンタルエックス線検査は0.01ミリシーベルト、パノラマエックス線検査は0.01~0.02ミリシーベルト、CTでは0.01~0.1ミリシーベルト程度とされています。
日本人が1年間に自然に被ばくする放射線量は約2.1ミリシーベルトと言われています。

それを考慮すると、デンタルエックス線検査は年間被ばく線量の200分の1、パノラマエックス線検査で100分の1程度の被ばく線量となります。
さらに、エックス線撮影時には鉛の入った防護エプロンを着用していただき、照射域である口腔以外の不要な被ばくを限りなく減らしています。

このように歯科治療時のエックス線被ばく線量はごく微量であり、撮影時には適切な防護もなされるため、エックス線撮影時の被ばく線量を必要以上に懸念される心配はないでしょう。

当院では、エックス線検査が必要な旨を患者さんに説明をし、同意を得た上で撮影させていただいております。(当院のデジタルレントゲン装置による被ばくは影響はありませんが、念の為妊娠中の方の撮影は行わないことが多いです!)
撮影の際に心配・不安な点があればいつでも声をかけていただければと思います。