歯がしみる

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。
朝夕が寒くなってきて、長袖の出番が多くなってきました。コロナは少し収まってきた様に感じますが、寒暖差で体調をこわさない様に気をつけなきゃいけませんね。今年は、去年インフルエンザが少なかったせいで、抗体を持つ人が少ない様で、インフルエンザが流行する可能性があるそうです。

さて、今回は虫歯ではないのに歯がしみる原因についてお話ししたいと思います。
私自身、歯がしみて悩んでいた中の1人です。
そして、それにプラスして、夜寝ている時に自分の顎の動きで起きてしまっていました。顎の動きで起きる?笑っちゃいますよね⁈
まずは歯がしみる事についてですが、しっかり歯磨きしてるのになんで?と思いました。
鏡で良く見たら、歯肉が1ミリくらい下がり根っこが見えて段差が出来、爪で引っかかる様になっていました。結論から言うと、くさび状欠損になっていたのです。
くさび状欠損と言うのは、歯ブラシが強く当たりすぎていたり、歯ぎしりや噛み合わせの力で根っこの部分が削れてしまう現象です。根っこの中心にある神経は象牙質で覆われていますが、象牙質が削れ薄くなり、神経に近い部分が出てしみやすくなっていました。
普通歯肉より上に出ている歯の部分は、象牙質の外側を硬いエナメル質で覆われてるため、普段のお食事や歯を磨いたりしても削る事はありません。一方で象牙質は柔らかいため、少しの力でも毎日の積み重ねで削れてしまいます。
もう一つは、私は若い頃から親や妹に、「寝ている時の歯ぎしりがすごい」と言われていました。その結果、咬耗が進み、歯ぎしりにより固いエナメル質でさえもすり減らしてしまったのです。
今では、一般的に犬歯、糸切り歯と言われる歯は真っ平らです。当たり前の事ですが、歯周病で支える骨が戻らないのと同じで、歯も元にはもどりません。例えば、そこに何かを足したとしても、歯ぎしりが治らない限り、逆に顎に負担をかけたり痛みが出てしまいます。
これ以上自分の歯をすり減らすことのない様に、癖を治す事が必要です。

私の場合は、原因は明らかです。
上下の歯を接触させる「食いしばり」「歯ぎしり」を止める事です。
日常生活で口の中にかかる力は、咀嚼、嚥下、会話など機会的な力です。一方、食いしばりや歯ぎしりといった非機械的な力(機能を持たない力)です。後者をブラキシズムと言います。
ブラキシズムがあるかないかは、歯の咬耗や顎の痛みだけでなく、舌に出来た痕でも分かります。舌のふちに歯が押さえつけて出来たデコボコした痕があります。当然の事ですが私にもあります。
残念な事に、私は昼間も食いしばりがありました。仕事中や料理をしてる時など、集中してる時に見られました。
原因が分かれば、後は治すのみです!
とは言っても、もう何年もあるくせ。そう簡単には治りません。意識的に力を抜いたり、安静にしている時の正しい歯や舌の位置を体に覚えさせる事が必要になります。「力を抜く」「歯を離す」など、普段目につくところにメモを貼る方法もあります。
意識して習慣化する事で、癖は自然に抜けていくと言われています。これは、他の直したい癖にも使えそうですね。
また、寝ている時の歯ぎしりについては、ナイトガードをつける事で歯への負担を減らす事が出来ます。
なかなか難しいかもしれませんが、痛い思いをしたり、これ以上悪化させないためにも、こういった症状がある方は一緒に頑張りましよう!
安静時の正しい歯や舌の位置、ナイトガードについて詳しく聞きたい方は当院で気軽にお話しして下さい。
摩耗やくさび状欠損で、しみて日常生活に支障が出ている場合は、保護するお薬を塗ったり、噛み合わせに問題のない部分であれば白い詰め物をしたりする事があるので、一度お声かけ下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

左側が舌のフチに出来た痕です。