飲み物と虫歯リスク

こんにちは。宇都宮市のみろ歯科 歯科衛生士の磯部です。

東京オリンピックが閉幕しましたね。アスリートの頑張る姿を見て、メダル獲得のニュースを見て、胸熱な日々でした。スケートボードなど、若い世代の活躍が素晴らしかったですね!こうやって知らないスポーツに触れるとてもいい機会だなぁと思っていました。

オリンピックは夏本番に開催されていますが、閉幕後の気温の上がり方が凄いものでしたね。体温をゆうに超えて、東京では39度を観測した日もありました。(栃木では36度でしたね)

熱中症アラートも出て、室内でも熱中症の危険性が高まっているここ近年の夏。適切にエアコンを使ったり、水分補給をしたり、危険を回避してなるべく快適に過ごしたいものですね。

こんな暑い夏においしいもの、といえばビールでしょうか?スポーツドリンクも夏にはよく飲まれるようになってきたと思います。必要な時に飲む分には問題のないものですが、水代わりに常飲する、ちょこちょこ飲みをするのは、虫歯リスクの面からいうととてもリスクを高める飲み方になります。今回は飲み物と虫歯リスクについてお話ししていこうと思います。

歯は体の中で1番硬い物質ですが、酸性・中性・アルカリ性でいう【酸】にはとても弱いものになります。普段口の中は中性寄りに保たれていますが、飲食をすると中性が酸性に傾き、虫歯になりやすい状態になります。ですが体には不思議な仕組みがあり、唾液の作用によって中性に戻してくれるのです。【緩衝能】という力です。

規則正しく飲食をして、食後は歯磨きをして、という習慣であれば大きく問題は出にくいのですが…だらだらと時間を決めず飲食をする、いつでも間食ができる、という食生活になると【緩衝能】による中和が追いつかなくなり、虫歯リスクがとても高まります。

飲み物でも酸性寄りのものがありますので、飲み方に気をつけてみてください。暑い夏の水分補給といえば麦茶や緑茶、それらのpHは5~6の弱酸性です。一方スポーツドリンクはpH3~4と酸性により傾いています。ちょこちょこ飲みをする、お口の中に溜めるようにして飲むのは歯に対して心配ですね。健康にいいとされている酢の入ったドリンクはさらに低くpH2~3、野菜飲料やスムージーはpH3~4です。疲れた時に、気合を入れるために好まれるエナジードリンクはpH3です。

このようにpHを挙げると、怖くてお水しか飲めない…となってしまうかもしれません。でもそんなことはありません。上手に、必要な時に飲めばいいのです。だらだら飲む、水代わりに飲むことを控えて、必要な時に。飲んだ後にお水で口をすすいだり、ガムを噛んで唾液を出して中和の力を高めたり、上手に飲む。乳歯や生えたての永久歯、歯肉が下がって根の見えている歯は特にデリケートで、pHの低い飲み物の影響が大きくなります。一生使う自分の歯を、身近な飲み物の見直しで守っていきましょう。