こんにちは。宇都宮市みろ歯科の歯科衛生士の田中です。
今年の4月からみろ歯科で働いています。皆様から信頼される歯科衛生士として頑張っていきますのでよろしくお願いします。
今回は糖尿病についてお話しさせて頂きます。
糖尿病有病者と糖尿病予備軍は合わせて約2.000万人いるといわれています。
日本の人口は約1億2.000万人ですのでいかに人口に占める割合が高いかが分かるかと思います。
糖尿病は、HbA1c 6.5%以上が基準となります。HbA1cは過去1~2か月の平均血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。
また、糖尿病は歯周病と切っても切り離せない関係にあるだけでなく、日常生活に及ぼす影響も多岐にわたります。
具体的に糖尿病とはインスリン作用不足に基づく慢性高血糖を主張とする代謝症候群です。
人間の体はエネルギーとしてブドウ糖を利用します。
健康な人では、血糖(血液に含まれるブドウ糖)を下げるホルモンであるインスリンが膵臓から出て、血糖の量を調節します。
糖尿病は血糖値の高い状態が続く病気ですが、これはインスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンの利きが悪くなったりする(インスリン抵抗性)ことで起こります。
血糖値の高い状態が続くと様々な合併症を引き起こし、生活の質(QOL)が制限されたり生命を脅かす場合もあります。
糖尿病の治療は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の三本柱からなります。
この3つは、患者さんの状態に合わせて組み合わせます。
食事療法は、糖尿病でも基本となる治療です。
「薬を飲んでいるから、食べ過ぎても大丈夫」という患者さんがたまにみられますが、食事療法を抜きに糖尿病の治療をすることはありません。
糖尿病食は「味気ない食事」と思われがちですが、そう捉えるのではなく、健康にも長寿にも、美容にもいい、即ちバランスのいい食事であることが重要とされています。
また、血糖値の上昇には、炭水化物以外の栄養素も関わっているため、食事内容を振り返り、どこに原因があるか気づくことが大切です。
運動療法では、「運動が必要」と言われてすぐにジョギングやウォーキングを始めた結果、膝や腰を痛めてしまう場合があります。
運動を行うと、その動作によって体重の数倍の負荷がかかりますので、特に肥満(BMI25以上)の方や高齢者の方は注意が必要です。
薬物療法は、食事療法、運動療法のみで効果が表れない患者さんを対象に並行で行われます。
糖尿病になったから急にインスリン注射をするわけではなく、糖尿病の初期ではまずは内服薬で治療が開始されます。
また歯周病は糖尿病との関連が強くあり、全身にかかわる病気と呼ばれていて歯科治療において切っても切り離せない疾患です。
具体的には、糖尿病になると細菌に対する抵抗力や組織の修復力や低下や口腔内の乾燥等が生じ、歯周病を悪化させます。
逆に歯周病菌が悪化すると、歯周病菌によりインスリンの働きが阻害され、血糖コントロールを悪くしています。
したがって、糖尿病を歯の疾患の一つとして捉え、糖尿病に関する理解を深めていく事が重要です。