6歳臼歯は王様?

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山元です。
新年度になり…でもコロナは収まらず…不安は続きますが、暖かい日が続く事も多くなり、我が家の庭の草花が生き生きしてきました。

一番初めに咲いたのは、モッコウバラ。他の大きいバラ達や紫陽花、クレマチスなど、みんな蕾が大きくなっていき毎日ワクワクしてとても楽しみです。

さて、本題の6歳臼歯(第一大臼歯)のお話です。
食べる行為は、捕食、咀嚼、嚥下(飲み込む)と言う一連の流れの中で進んでいきます。

歯がもっとも関係するのは咀嚼です。そこで重要な役割をするのが6歳臼歯です。
どうして重要なのでしょうか?

それは、全体の歯の中で6歳臼歯がもっとも咬合力が大きいからです。

咬合力とは、筋肉の働きにより上下の歯が合わさり噛み合う時に生じる力のことです。
どくらい大きいかと言うと、例えば、健常な成人男性の平均値は約60kg。女性では40kg。

驚きませんか?人間の咬合力がそんなにあるなんて。
他の歯と比較してみると、前歯から数えて最初の四角い歯(第一小臼歯)は6歳臼歯(第一大臼歯)の2分の1です。犬歯は3分の1。前歯は6分の1です。
6歳臼歯は永久歯の中で、圧倒的に大きな力を生み出してある事が分かりますね。

6歳臼歯の咬合力が分かったところで、次は咀嚼についてです。
全体から見ての咀嚼率でも6歳臼歯の凄さが分かります。

咀嚼率とは、食品を同じ程度に粉砕するために必要な正常歯列者(全ての歯が揃っている正常な歯並びの人)の平均咀嚼回数と対象被験者が必要とした咀嚼回数の比率をパーセントで表したものです。
例えば、咀嚼率50%とは、正常歯列者が10回噛んだ時と同じ粉砕状態にするために20回噛むことが必要になると言う事です。
6歳臼歯を1歯欠損しただけでも、咀嚼率は3分の2以下に落ちると言われています。
以上2つの事だけでも6歳臼歯の大切さ、重要さが分かると思います。王様と言われる理由も分かりますね。
6歳臼歯を健全に保つ事は生涯を通じて美味しく食事をする事に繋がっていくという事です。

6歳臼歯は抜け変わる歯ではありません。初めて乳歯の1番奥に生えてくる歯です。
6歳臼歯が生えてくる頃は、お子様がご自身で歯を磨く機会が増える時期だと思います。

生えてくる途中はムズムズしたり、歯肉がかぶっている所はとても磨きにくいです。噛む面の溝も深くなっています。

この時期のお子様には仕上げ磨きで、しっかり汚れを落としてあげて下さい。

歯磨きの際は、歯肉に歯ブラシの毛先が当たってしまうので力加減に気をつけて、毛先の向きなども工夫して磨いてあげて下さい。

そしてこの時期に6歳臼歯の大切さを教えて頂ければ今後の人生においての口腔環境がより良くなると思います。
6歳臼歯は一生使い続けたい歯です。

しかし残念ながら、永久歯の中ではもっとも虫歯になりやすい歯です。

6歳臼歯はもちろん、お口の中の環境をより良く守っていくためにも、かかりつけ歯科医や私たち歯科衛生士が予防もしくは虫歯の早期発見が出来ればと思います。
その第一歩として、定期的な検診やご自身での毎日のケアは欠かせません。

また、お子様についてはこの2つがお子様の将来の正しい歯並びや噛み合わせ、咀嚼の上達に繋がりますので、小さい頃から定期検診される事を習慣にしておくといいと思います。

特にお子様はフッ素を塗る事で虫歯予防にもなるので重要です。

これからも口腔環境をより良くするためのお手伝いができるように頑張りますので、ぜひ定期検診は忘れずにいらして下さい。