歯周病のかかりやすさ

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、衛生士の高木です。
1月に始めたインビザラインも半分を超えました。
今のところ順調に続いており、隙間が空いていた前歯も閉じてきて、見た目にも変化が分かるようになってきました表情にっこり
しかし歯を動かしている段階なので奥歯の噛み合わせが合っておらず、グッと噛み締めることができないので食事をしても食べ物が噛み砕けない状況になっております(^_^;)
奥歯の噛み合わせの重要性が改めてよく分かりました。
あと少し、そんな体験をしながらゴールに向かっていきたいと思います!
さて、歯科医院でメインテナンスのお仕事をさせていただいているとさまざまな口腔内を拝見します。その中でも、口腔清掃状態が良いのに歯周病の症状があったり、反対に清掃状態が悪くても口腔内トラブルがないという方がいらっしゃったり。
歯周病のかかりやすさが患者さんによって違うのはなぜなのでしょうか?
歯周病とはバイオフィルム細菌(プラーク)による感染症です。バイオフィルムの攻撃力と歯周組織の抵抗性(歯肉の強さ)のバランスが整っている時には何も起こりません。
バイオフィルムの病原性が高くなってしまったり、あるいは歯肉の状態が弱くなるとバランスが崩れて歯周病が発症します。
バランスを決めるのはバイオフィルムの病原性(歯周病菌の種類と量)と歯肉の強さ(遺伝と生活習慣)です。
バランスを崩す要因が多いほど歯周病になりやすいのです。
○歯周組織の抵抗性を下げる(歯肉を弱くする)要因
・生まれつき(遺伝的に)弱い免疫力
・加齢
・唾液量の低下
・口呼吸
・生活習慣(喫煙、ストレス、不健康な生活、生活習慣病)
○バイオフィルムの病原性を上げる要因
・悪玉歯周病細菌
・磨き残した古いバイオフィルム
・歯肉からの出血
・タバコの化学物質
・口呼吸
これらのうち、遺伝、加齢、悪玉細菌種は変えられませんが、ブラッシング、口呼吸、生活習慣は変えられます。それらの要因を改善すれば、歯周病になりやすい人でも発症を予防できます。
その為には、ご自身のバランスを崩壊させる要因を理解することが大切です。
①プラークには悪玉菌と善玉菌がいる
どれがいるかは人それぞれですが、歯周病が重症化しやすい人は悪玉菌が多いのです。
「極悪」と「ちょい悪」がいて、磨き残しが多いとちょい悪菌量を増やし、更に極悪菌が悪さをしてしまいます。
一度これらの菌が棲みついてしまったら一生おつきあいすることになります。
しかし、セルフケアと歯科医院でのプロケアの組み合わせで発症・再発は防ぐことができます。
②歯肉出血は歯周病菌の栄養素
血液に含まれている鉄分とタンパク質は歯周病にとって欠かせない栄養素です。

歯肉の炎症により出血が始まると細菌達は栄養をとって元気に暴れ出し、バイオフィルムの毒性が高まりバランスが崩壊します。
=磨き残しが栄養素
でも100%プラーク除去は不可能
よって、歯科医院でのプロケアが必要になるということになります。
また、口呼吸によりプラークが乾燥して硬くなると磨き残しが増えるので要注意です。
③免疫力が低いと歯周病は進行しやすい
歯周病菌の攻撃から歯肉を守っているのは「体の免疫」
免疫力が低いとバランスが崩壊します。
免疫力は遺伝と年齢が影響しており、加齢により低下します。また、抗菌成分となる唾液も加齢により分泌量が減ります。
免疫力を高める努力も大事ですが、バイオフィルムの毒性を下げることによってバランスを保つ方が現実的です。
つまり、年齢とともにセルフケア、プロケアが重要となってくるということになります。
また、口呼吸での口腔内の乾燥は歯茎の抵抗力を低下させます。
④免疫力は生活習慣にも左右される
遺伝や加齢による免疫力の低下は仕方がないとして、生活習慣によるものは防ぐことができます。
体に良い生活は歯茎にも良い影響を与えます。
栄養、運動、睡眠、ストレスに注意し、タバコは百害あって一利なしです。
喫煙による歯周病は、血行不良により歯肉出血などの炎症が目立ちませんが、歯肉組織は激しく破壊されていて、歯周病が静かに進行します。
また、受動喫煙による歯周病も確認されています。
⑤やっぱり大事なのはセルフケア
お口の健康を保つのは自分だけです。
毎日のセルフケアでバイオフィルム(プラーク)を取り除き、歯周病菌の量を減らしましょう。
菌量が少なければ極悪菌も悪さできません。
歯ブラシに加え、フロスや歯間ブラシは必須です。
そこで落としきれない所を定期的なプロケアでサポートします。