根面う蝕について

はじめまして、こんにちは。
宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の大金と申します。
昨年8月から勤務させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします!
1月に入り寒い日が続いていますが、皆様体調など崩されてはいないでしょうか?緊急事態宣言も発令され、なお一層体調にも気を使いますね。
さて、今回は根面う蝕についてお話したいと思います。
根面う蝕とは、歯茎が下がって露出した歯の根元(根面)にできる虫歯です。
高齢の方を中心に、今大人に増えています。
歯は大別して、物を噛む部分である「歯冠部」と歯を支える「歯根部」から成ります。
歯冠部は歯茎より上の部分、歯根部は歯肉に埋まっている部分です。
歯の頭「歯冠部」は、エナメル質と呼ばれる酸に溶けにくい硬い組織で覆われて守られていますが、歯の根の部分は、エナメル質に覆われていません。
そのために、酸に溶けやすく虫歯になりやすいだけでなく、虫歯の進行も速いのです。
高齢の方を中心に根面う蝕が発症しやすい理由ですが、お年を重ねると、なんらかの薬を服用されている方が徐々に増えてきます。
薬のせいだけではありませんが、唾液の出が少なくなる副作用がある薬も多く、ご高齢になるとお口が乾く方は多くいらっしゃいます。
唾液には、虫歯から歯を守る作用があります。
お口が乾き、唾液が少なくなると、これまで歯の根元に虫歯ができなかった方でも、歯の根元に虫歯が多発したり、急激に進行することがあるので、注意が必要です。
歯茎が下がって歯の根元が現れてこなければ、そこが虫歯になることはありません。
そのため、歯周病などで歯茎が下がらないようにすることが、歯の根元の虫歯を予防するうえでもっとも重要です。
歯の根元の虫歯は、歯の頭の部分の虫歯と同じように、歯についたプラークが原因です。
プラークが残っていたり、砂糖を含む食品を何度も摂取することで、虫歯になりやすくなります。
歯の根元の虫歯の予防には、まずはフッ素入り歯磨きを使って、歯の根元の部分のプラークをしっかりと落としましょう。
ただし、歯の根元の部分は軟らかいため、力を入れすぎすると削れることがあります。
ゴシゴシと力を入れすぎないように注意し、歯ブラシは小刻み(5~10mm程度)に動かすようにするとよいでしょう。
歯と歯の間の清掃には、歯間ブラシが効果的です。
わが国では、高齢になっても多くの歯が保たれるようになり、8020達成者が50%を超えました。
一生涯自分の歯でなんでも食べられることは、極めて大切なことです。今後とも丁寧なケアで引き続き虫歯から歯を守っていきましょう。