咀嚼回数と顎骨の発育の関連性

こんにちは。宇都宮市みろ歯科の歯科衛生士高木です。
新年明けてから、私もインビザラインを開始しました!
私の場合小児期から咬みしめが強かったようで、咬み合わせが深くなり、下の前歯が見えなくなっている状態でした。
これは、力がかかることによって咬み合わせの高さがとれなくなっている状態です。
また、下の前歯が上の前歯の後ろ側の歯肉を咬んでいて上の前歯はどんどん前に押し出され歯間が離開しています。
上は奥歯の歯間を少しだけ削って隙間を作りマウスピースで後ろに下げていく、
下は咬みしめにより歯肉方向に下がっていた歯を持ち上げて正しい位置で咬み合わせる、
と言った経過でキレイに並んだ前歯と正しい咬み合わせを目指しています!

マウスピースが入りたては歯が動くので少々痛みやうずく感じがありますが、すぐに慣れて、マウスピースを入れている間が一番口の中が落ち着いている気がします。
食後は歯磨きと歯間清掃が欠かせませんし、マウスピースを入れている間は食事ができないので無駄な間食も減り、歯にも健康にもプラスです!
これから歯が動いていく経過が楽しみです☆
さて、今回はそんな歯列矯正にまつわるお話。
「最近の日本人は顎が狭くなっている」とよく耳にしますね。
お子様の歯列について心配される方は「噛む回数の多いものを食べさせればいいの?」と思われるかと思います。
最新の歯科情報誌による答えとしては、咀嚼回数が顎骨の発育に関連すると直接示した研究はほとんどありませんが、成長期の咀嚼回数が多かった群は歯列の幅が大きい傾向にあるという報告はある。との事です。
顎骨の発育は遺伝的な要因が大きいと思われますが、小中学生の頃に噛みごたえのある食物を摂取する機会が多かった群の歯列は放物線状の歯列形態を認めることが多く、噛みごたえのある食物を摂取する機会が少なかった群では狭窄した形やV字型の歯列形態を認めることが多かったという報告があります。
この研究では、小中学生の頃に、自然と咀嚼回数が増えるような食材を嗜好したり、「しっかり噛んで食べなさい」と声かけされる家庭環境で育ったりした場合、そうでない場合と比べ歯列の幅が1.5〜1.7㎜程度大きくなったことが示されています。
歯列の幅が大きくなれば、歯列や咬合がよくなり不正咬合が予防できます。
また、歯の清掃が行いやすくなり、う蝕や歯周病の予防につながります。
よく「一口30回以上噛みましょう」と言われますが、これはひとつの目安であり、食品によって噛む回数は異なります。
咀嚼回数だけを気にするというよりは、よく噛んで食べる習慣をつけることが大切だと思います。