母子健康手帳から入手できる歯科の情報

みなさんこんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の山根です。
日増しに秋の深まりを感じるようになりましたが、今年はコロナがあるので、より一層体調管理には気をつかいますね。

さて、今回は妊娠すると渡され、主に6歳までの記録ができる「母子健康手帳」についてお話ししていきます。
母子健康手帳には、妊婦の健康記録や、新生児から6歳までの成長記録、健診や予防接種の記録などをしていきますが、実はそれ以外にも歯に関する情報が多く得られます。
まず妊娠期の口腔内の特徴としては、

①つわりにより吐き気や倦怠感が起こりやすい

②女性ホルモンの過剰分泌により、歯肉に炎症や腫脹が起こりやすい

③唾液が酸性化し、口腔内が乾燥しやすくなる

などがあります。

唾液を介して子どもにむし歯菌はうつってしまうので、出産前にお母さんのお口の中を健康にしておくことが、とても大切になります。
1歳頃になると、成長とともに乳歯の萌出も増えるため、仕上げ磨きが必要になります。

まずは、頬や口の周りを触ったり、歯肉をマッサージするなど触られることに慣れることが大切になります。

子どもが歯ブラシに興味を示し、自分で持ちたがった時は、事故防止のため仕上げ用歯ブラシは渡さず、リング状などの歯ブラシであっても、くわえたまま動き回らないように注意喚起しましょう。
1歳6ヶ月〜2歳ごろになると、ほとんどの子どもが上下合わせて16歯生え揃います。

歯列の状況によっては、歯ブラシだけでなくフロスも取り入れます。

むし歯になるリスクが高い場合には、使用量に注意の上フッ化物を使用していきます。

ぶくぶくうがいの練習も少しずつ始めていきます。

この頃に哺乳瓶を使用していると、上の前歯がむし歯になりやすいため、少しずつ哺乳瓶は卒業していきましょう。
3歳ごろになると、乳歯の放出が完了し形態も整ってきます。

この時期からは特に、目では見えない隣接面う蝕に注意が必要です。

仕上げ磨きの際に、糸ようじやデンタルフロスを使ってほしいため、まずは保護者の方ご自身が使用し、使い方を確認してみてください。
4歳ごろになると、乳歯列が安定してきます。

この時期の子どもに口をゆすいでもらうと、口の機能が未熟なために、水を飲み込んでしまう、口に含んだ水をすぐ吐き出してしまうなどの様子が見られます。

こういう場合も、ぶくぶくうがいによって口唇や頬の筋肉を強化する効果が期待できるので、積極的に行っていきましょう。
5歳ごろになると、歯磨きを完全に子どもに任せてしまってる保護者も多く見られます。

永久歯の萌出を迎える前の大切な時期なので、引き続き仕上げ磨きをしていきましょう。
6歳ごろになると、永久歯が生え始めます。

口腔内の前方では、乳歯が抜けて前歯で噛みにくいなどの影響がでてきます。

仕上げ磨きの際は、タフトブラシを追加したり、歯肉のかぶっている部位には軟毛の歯ブラシを使用したりなど、工夫をしていきましょう。

母子手帳には沢山のお口の中に関する大切な情報がありますので、みなさんぜひ改めてよく見てみてくださいね!