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歯医者が自分の家族には保険のかぶせものを入れない本当の理由!
はじめに ~この冊子を書いた理由~
みろ歯科にいつも来院してくださり、ありがとうございます。
今から私があなたにお伝えする情報はすべて事実です。
わたしが、なぜ今回この文章を書いたのか。
それには、わけがあります。
あなたは「ずっと健康で快適な暮らしをしたい」
そして、あなたの大切な人にも「健康で幸せに暮らして欲しい」と願っているのではないでしょうか?
だからこそ、
「歯科で使う材料の違いについて、正しい情報を提供しなければならない」
と私は思います。
これが、歯科医師である私の義務だと思います。
第1章 かぶせ物と詰め物の真実
かぶせ物や詰め物をするための下準備が終わると土台を作って歯を補強します。
その次に形を整えて型をとれば、かぶせ物や詰め物(これらを専門用語では「補綴物(ほてつぶつ)」と言います)が出来てきます。
そこで、情報提供として補綴メニューを作成しました。

補綴メニュー
私は今まで、保険のかぶせ物や詰め物でもそれなりに良い物ができると思っていました。
しかし、現場に出て経験を積み勉強をしていく中でわかってきたことがあります。
「保険のかぶせ物や詰め物は、決して体に安全なものではない」
ということです。
第2章 患者様から学んだこと
それでは、実際にあったことをお伝えしたいと思います。
私が歯科医師になり立ての頃、Aさんという患者さんの歯石を取っていました。
かなり硬い歯石らしき物があり、その歯石を取ったところ、それはインレーという金属製の詰め物でした。
ビックリして慌てて接着しようとしましたが、もっと驚いたのは、その詰め物がかなり錆(さ)びていたことでした。
「Aさん、この詰め物の内側、錆びてますね。いつ入れたんでしょうか?」
「う~ん、10年くらい前だと思うけど、本当ね。すごく錆びているわね。外からはわからなかったけど、こんなに中は錆びているのね。先生! これもう入れるのは止めてください。どう見ても体に悪そうだから」
別にはずれかかっていたわけでもないし、入れた状態が悪い訳でもない。
すき間が開いていたわけでもない。
やっぱり口の中はいつも濡れているから、「銀歯(健康保険の材料)では錆びるんだな」ということが解ってきました。
こういうことはこの時だけではなく、今でも「詰め物が取れたんです」と言って持ってきてくださった方のほとんどの詰め物の裏側は真っ黒になっています。
取れた詰め物。右が外側の様子、左が内側の様子。
内側は黒くなっています。
はずれたかぶせ物。右が横から見た様子、左が内側の様子。 やはり、内側は黒くなっていますね。
第3章 一見見きれいな詰め物。実は裏側は錆びていた!
保険の詰め物やかぶせ物には「金パラ」という金属材料を使用しています。
金パラの成分は、金12%、パラジウム20%、銀50%、銅15%、他3%の銀合金でできています。
これは、約40年も前に厚生労働省(以前の厚生省)が決めた比率です。
実はこの数字、体への安全性を考えて作ったものではなかったのです。
当時金属の研究者の団体・歯科理工学会理事の愛知学院大学の理工学教授によると、昭和30年頃の金属は金、しかも20カラットの金をかぶせ物に、詰め物には24金を使っていました。
当時、金は非常に高価で、手に入りにくい物でした。
厚労省は健康保険に使用する純金に代わる代用歯科用合金の開発を理工学会の理事の教授に命じたのです。
当初金の含有量は20%程度入っていました。
それでも、厚労省はもっと金の含有量を下げるように命じ、教授はそこまで金含有量を下げてはいけないというのを厚労省は聞かず、12%の金にしてしまったということでした。
開発当時から、金の代用品だったのです。
ということは?
その当時の国の財政の事を最優先に考えた結果、決めた割合でしかありませんでした。
実際、調査によると、歯科用の金合金は金、白金、パラジウムなどの貴金属が75%以上含まれていないと化学的に安定せずお口の中で溶け出します。
つまり、金パラは生物学的に問題があり安全とは言えないのです。
特にパラジウムと銅は金属アレルギーを起こしやすく、アメリカ・ヨーロッパでは使われない傾向にあり、金パラという合金はアメリカ・ヨーロッパの歯科医院では使用されていません。
このように金パラは金合金の安価な代用品として日本だけで使用される歯科用合金だったのです。
あなたにも、ある日突然詰め物が取れて、裏を見ると真っ黒になっていて、
「これって大丈夫なのかな?」
とびっくりされたことがあるかもしれません。
確かに、保険の物を入れても、ほとんどの場合すぐに病気になるというわけではありません。
しかし、もし歯医者である私が、私の大切な家族にかぶせ物を入れる場合、やはり保険のものは入れません。
口の中で徐々に金属が溶け出し、それを毎日飲んでいる事を考えると・・。
ぞ~っとして怖くなります。
事実、私の父親・母親・妹の治療を今までしてきましたが、誰一人として保険の材料(金パラ)を使ったことはありません。「セラミック」という素材を使ったのです。
私だけでなく、ほとんどの歯医者さんは、自分の家族には体に良い物を入れます。
第4章 歯医者が自分の家族には保険のかぶせ物を入れない本当の理由
では、なぜ今まで歯医者さんは、あなたに歯の材料のことを詳しく教えてくれずに、保険のかぶせや、つめ物を入れていたのでしょうか?
説明するのが面倒くさかったのでしょうか?
材料についてあまり知らなかったのでしょうか?
おそらくそれもあると思いますが、いちばんの理由は
「短い時間で、歯科材料の説明をして、高い物を押しつけられたと患者さんに誤解されないだろうか」
ということが心配なのです。
誤解されるくらいなら、黙って保険の物を入れておこうと考えるわけです。
わかっていても・・・
第5章 いったい私たちはどうすればいいの!?
ここまで読んでみて、ではいったい「私はどうすればいいの???」と思っておられるのかも知れません。
しかし、ご安心ください。
セラミック(陶材)という材料があるのです。
金を使った物は24金(純金)以外合金です。
溶け出す可能性は低いものの、一部は必ず溶け出します。
セラミックは陶器です。
ですから、溶け出すことは絶対ありません。
白い材料でご自分の歯と同じ白い色をしているので、金や金パラとは違い、かぶせてあっても見分けがつきません。自分の歯と見分けがつかないくらい美しいのです。
最近では、芸能人が急に歯がきれいになっていることに気づくことがあると思いますが、あれはすべてセラミックを入れているからです。
もちろん、デメリットもあります。
セラミックは陶材ですので、金パラや金とは違って粘りがありません。
あまり大きな衝撃が加わると割れます。
その点に関しては、耐久力が劣ると言わざるを得ないでしょう。
ただ、壊れることがメリットになる場合もあります。
セラミックが割れてくれるため、歯が守られ、歯の根が壊れずに抜かれるような心配がなくなることです。
根っこがあれば、再度かぶせ物を作ることができます。
金パラでかぶせると、よく歯が割れて膿んできたりします。
かぶせ物が硬く、噛む力が余りに強すぎるために歯が耐えきれなくなって割れてしまった結果、バイ菌に感染し膿(う)みを出してくるのです。もうこうなったら歯を抜くしか方法が残っていません。
私はあなたの大切な歯を失ってほしくないのです。
今ある歯を長く使って人生を楽しんでいただきたいと真剣に考えているのです。
最終章 歯にかぶせる最高のものとは?
かぶせ物・詰め物でもっともよいのは、歯と同じ硬さ、特徴をもったものが一番です。
歯にできるだけ近い硬さの物が一番歯に優しくて良いものといえますね。
その点から言えば、見た目の白さ、硬さ、組成でアレルギーと無縁のセラミックが一番体に優しいと言えるのではないでしょうか。
また、保険治療の物に比べ、自費治療のものは高額になります。
物によっては、10倍~20倍の金額になります。
しかし、あなたの1本の歯の価値はいったいいくらでしょうか?
もちろん自分の健康に対する価値観は人によって違います。
もし、私が「100万円差し上げますので、あなたの前歯を1本抜かせてください!」とお願いしたとしたらどうでしょうか?
きっと
「絶対に嫌だ!」
と思われるではないでしょうか。
あなたの健康やあなたの大切な人の健康と比べたとき、数万円のかぶせ物や詰め物が本当に高いのか、安いのかは人によって異なるのです。
だから私は補綴メニューを作りました。
短い説明で誤解される事を恐れるよりも、家に持って帰ってもらってじっくり見ていただく方がよっぽど良いと思ったからです。
あなたもきっと落ち着かない診療室で説明を受けるよりも、家に帰って落ち着いて、補綴メニューを見ながら1番合うものをゆっくり選んだ方が良いはずです。
そしてあなたやあなたの大切な人の健康について、向き合う時間を作っていただけたら嬉しく思います。
次回のご予約まで少々時間があると思いますので、その時に、どのかぶせ物や詰め物にするか言っていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
わからないことや、不安な点、質問などがあれば、ご遠慮なくご相談くださいね。