正しい手指消毒

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の飛田です。

やっと緊急事態宣言が解除されましたね!少しですが気持ちがほっとしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、油断は禁物です。以前の生活レベルまで落ち着くにはまだまだ時間がかかりそうですね。

 

さて、新型コロナウイルスの影響もあり、手洗いについてはメディアで何度も目にしているような気がします。

芸能人の方々が歌を歌いながら手を洗うシーン、手洗いを目的とした曲なども耳にしたのではないでしょうか。

しかし、手指消毒(擦式アルコール製剤を使って手指の消毒を行う)については曖昧な点が多いので改めて確認してみたいと思います。

 

 

・手指消毒の目的
手指についている通過菌(一過性の付着菌あるいは常在菌)、特に指先に付着している菌を消毒薬によって除去する。

・いつ行う?(医療従事者)
︎グローブを装着する前(グローブを取り出す際に、指先によってグローブの箱を汚染させないようにするため)
︎グローブを外したあと(グローブ内の汗によって、細菌が繁殖し増えているため)
︎グローブを外して、目に見える汚れがない場合

 

・正しい手指消毒の方法
グローブの装着前後には必ず行うことをふまえると、手指消毒は1日に何度も行う重要な工程です。

擦式アルコール製剤を使って、一回につき15秒以上(20秒間)で行います。

 

①擦式アルコール製剤を手のひらに適量(3ml以上)採る。適量以下では手指全体に擦り込むことができず、消毒の効果が得られません。

②手のひらをくの字に曲げてもう片方の指先を消毒液に浸しながら揉む。量を減らさないために、こぼれないようにすることが大切です。

③指の間をしっかり擦る。意識していないと、意外に指の間は擦れていないことがあります。反対側も同様に行います。

④親指を手のひらで包み、回しながら擦り込む。親指は洗い残しが多いため、もっとも注意を要します。念入りに行いましょう。

⑤人差し指からは、指を折り曲げながら順番に擦り込む。指先、指の間を含めしっかり擦り込むことが必要です。

⑥手首を手のひらで握り、回しながら擦り込む。手首は、グローブの脱着に指が触れやすい場所なので、念入りに擦り込む必要があります。

⑦擦式アルコール製剤が残存していれば完全に乾燥するまで擦り込む。最初に採った量をすべて使い切らないと消毒効果が不十分となります。完全に乾燥しているか確認しながら、薬液をすべて擦り込むようにしましょう。

 

・やってはいけないこと
①残っている薬液をペーパータオル等で拭き取らない。適量の薬液をすべて擦り込まないと、消毒不十分により消毒効果が認められません。少量の消毒剤が残っていても拭き取らないようにしましょう。
②グローブを装着した状態で手指消毒を行わない。グローブの強度は擦式アルコール製剤によって半減するといわれています。手指消毒の際は必ずグローブを外すようにしましょう。

手指消毒では、擦式アルコール製剤で手指をバリアすることが重要です。WHOは、安価で容易であり、かつ院内感染に対する効果が即効性に表れるとして、アルコール製剤による手指消毒を推奨しています。お出かけした際など、出入り口に常備しているところが多くなっていますので、みなさんぜひ手指消毒を心がけましょう。