歯周病とセルフケアのポイント

みなさんこんにちは。
宇都宮市みろ歯科 歯科衛生士の石黒です。

今週で4月も終わりそろそろ5月になりますね。いつもならゴールデンウィークが楽しみですが、今年はコロナの影響で不要不急の外出を控え無ければならないため楽しみにしていた予定もなくなり残念です。しかし、少しでも早く収束するように私を含め皆さんもステイホームをしてこの困難を乗り越えていきましょう!٩( ᐛ )و

さて、今お家にいる時間も増えテレビを見ながらお菓子などを食べたりジュースを飲んだりする事も増えているのではないでしょうか。外に出掛けられないため私も以前よりそのような事が増えてしまっています^^; それなのに歯磨きをきちんとしないでいると虫歯になってしまったり歯周病を進行させてしまったりしてしまいます。そのようなことにならないためにも今回は歯周病についてとご自宅でのセルフケアのポイントを紹介していきたいと思います!

まず歯周病と全疾患のかかわりと歯周病を招きやすい生活習慣について説明していきます。

-歯周病と全身疾患の関連-
〈リスクを高める疾患〉
・糖尿病(高血糖) 歯周病と糖尿病の相互関係
歯周病は糖尿病の第6の合併症とも言われています。一方、歯周病も糖尿病へ影響を及ぼすと考えられるようになってきている。糖尿病患者の歯周病を治療することで血糖コントロールが改善し、血中HbA 1c濃度が低下するとの報告もある。これは、歯周組織から分泌される炎症性サイトカインが抑制されて、インスリン抵抗性が改善さてるためと考えられている。

・肺炎 口腔内を清潔に保つことが肺炎予防に
高齢、認知症、脳血管障害、手術後などの状態では、嚥下反射と咳反射が低下して誤嚥を生じ、歯周病原菌やその他の口腔内細菌が肺に感染して、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなる。

・メタボリックシンドローム 炎症性サイトカインの歯周病への影響
内臓脂肪型肥満の脂肪細胞では、炎症性サイトカインの分泌が増加することがわかっている。そして、炎症性サイトカインが血管を通って口腔内に到達すると、歯周病を進行させると考えられる。炎症性サイトカインが多い状態が続くと、免疫システムのバランスが崩れて抵抗力が低下し、歯周病にかかりやすくなると考えられている。

〈リスクを高める可能性がある疾患〉
・早産、低体重児 歯周病が引き起こす早産による低体重児
歯周組織から分泌される炎症性サイトカインやプロスタグランジンが子宮の収縮を促進して、早産になりやすくなると考えられている。

・関節リウマチ 歯周病と関節リウマチの類似性
歯周病と関節リウマチとの間には病態としての類似性や共通のリスク因子がある。最近の研究では、歯周病は関節リウマチの発症リスクを高めるだけでなく、より重症化させていることも示唆しれている。

・動脈硬化、心臓血管疾患 心臓疾患のリスクを高める歯周病
歯周組織から分泌される炎症性サイトカインや歯周病原菌の内毒素が血流に入り、動脈硬化の進行に関与するためだと考えられている。

・骨粗しょう症 歯周病と骨粗しょう症の関連性
女性、特に閉経後の女性に多く見受けられる骨粗しょう症。骨粗しょう症は、歯槽骨吸収がより進むことがわかっており、歯周病のリスクになることが指摘されてきる。

-歯周病と生活習慣-
喫煙は歯周病の最大のリスクファクターである。喫煙により、歯肉の血流量の低下、歯周組織の慢性的な低酸素状態、活性酸素の増加により免疫機能が低下し、歯周病原菌の歯周ポケットでの定着・増殖を促進すると考えられる。さらにストレス、不規則な生活などの生活習慣も重要な危険因子なので、生活習慣を見直すことも歯周病予防には重要である。

タバコを吸う
喫煙すると、タバコの煙に含まれる有害物質が、口腔内の粘膜や歯肉かは吸収され歯周病リスクを高める。

疲労やストレスをためている
疲労とストレスがたまると免疫力が低下し、歯周病にかかりやすくなる。

よく噛まずに食べる
よく噛まずに食べると、唾液が十分に分泌されず、細菌が増殖しやすくなる。

間食が多い
口腔内の細菌は糖分を栄養にしてプラーク(歯垢)を作る。甘いものをだらだら食べる生活は控える。

このように歯周病は様々な全身疾患との関わりがありとても怖い病気でもあります。そんな歯周病を進行させないためにもこの後セルフケアのポイントを説明していきます!

-ブラッシング編-

〈プラーク(歯垢)のたまりやすい部位〉
①奥歯の噛み合わせ:最も虫歯になりやすい
②歯と歯肉の境目:歯ブラシを小刻みに動かす
③歯と歯の間:フロスや歯間ブラシも併用を

Point 歯並びが凹凸なところ
歯並びが凹凸している人は、歯ブラシを縦に当て1本ずつブラッシングしましょう。

フロスや歯間ブラシを使うと効果的!
歯ブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間のプラーク(歯垢)の61%しか除去できないのに対して、フロスを併用すると79%、歯間ブラシを加えると85%まで除去できる。

〈歯ブラシの選び方〉
お口の状態やブラッシング方法にあわせて、最適な歯ブラシを選びましょう。
①ヘッドが小さい(上の前歯ニホンぐらいの大きさ)
②ハンドルがにぎりやすい
③ネックが細い
④毛の固さ 歯肉が健康の方→ふつう
歯肉に炎症がある方→やわらかめ

〈保管方法〉
使用後は流水下でねもとまでしっかり洗い、風通しののいところに保管しましょう。

〈交換時期〉
歯ブラシは使っているうちに徐々に毛先が広がったり、コシが無くなってきて、清掃効果が落ちてくるので、1ヶ月を目安に交換しましょう。

〈歯ブラシの持ち方〉              歯や歯肉に無理な力がかかりにくい、ペングリップ(鉛筆持ち)がお勧めです。

〈磨く力〉
150〜200g 毛先が広がらないくらいの軽い力で。

〈歯ブラシの動かし方〉
1〜2歯ずつ磨くかんじで小刻み(1〜2ミリ幅)に歯ブラシを動かす。

-歯磨き剤編-

〈フッ素の効果〉
歯は、唾液や歯垢(プラーク)との間で、カルシウムの溶け出し(=脱灰)と取り込み(=再石灰化)を繰り返しています。フッ素には、この再石灰化を促進して歯質を強化し、一方、酸の産生を抑制することで脱灰をよくせして虫歯を予防する効果があります。

虫歯になりやすいところ

〈効果的な使用方法〉
・使用量 年齢によってお勧めの使用量は違います。年齢にあった使用量を心がけましょう。

6〜14歳 フッ素 〜1000ppm 歯磨き粉1㎝程度
15歳以上 フッ素 1000ppm〜1500ppm 1〜2㎝

・すすぎ 少量の水で口をすすぎましょう。    ※ブラッシング後は30〜60分程度飲食を控えましょう。

〈歯磨き剤の種類〉
︎歯磨き剤の形状
・ペースト(練)
一般的に多くの使用されているペースト状タイプ

・液状(歯間ブラシにもお勧め)
ペーストに比べ、流動性のある液状タイプ

・液体
水とほぼ同じ粘性の液体タイプ
※液体タイプは一般的に清掃剤(研磨剤)は配合されていません。

同じ形状であっても清掃剤(研磨剤)や発泡剤が無配合のものや最小限に抑えた(低研磨・低発泡)ものなどさまざなタイプがあります。

︎歯磨き剤にはさまざな効能・効果があります
・虫歯を防ぐ
・歯石の沈着を防ぐ
・口臭を防ぐ
・歯周病(歯肉炎、歯周炎)を防ぐ
・歯を白くする など

セルフケアのポイントは以上です。
歯科医院でのプロフェッショナルケアも大切ですが、それ以上にご自宅でのセルフケアが虫歯・歯周病予防にはとても大切になっていきます。正しい方法でセルフケアを行い、口腔内環境を良い状態に保てるようにしていきましょう!分からないことがあればいつでも当院の歯科衛生士に質問してくださいね♪