ストレスを食にぶつけると癖になる

こんにちは。宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の飛田です。
新型コロナウイルスの影響で、学校が休校になったりイベント事が自粛されたりしています。

外出する機会が減り、家にいる時間が増えている方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は「過剰摂取」についてお話ししたいと思います。

みなさんはストレスを食にぶつけたことがありますか?
現代人は食べることに快楽を求めがちです。

菓子やパンケーキ、焼肉などの高嗜好性植物が容易に手に入る現代社会で、われわれはその摂食経験から得られる快情動や報酬作用、つまり、「おいしさ」や満足感を経験しています。

現代の食事は、「嗜好性に基づく摂食」が多くなったと言えるでしょう。

食後のデザートやアイスクリームは、空腹でなくても、その「おいしさ」を感じるために食べるのです。

そのため、現代人は、食事から得られる「快情動」に飢えているとも示唆されています。

空腹でもないのに食べたくなったり、食べ過ぎてしまうのは、多重な生理メカニズムによって抑制されるはずの摂食が適切に抑制されないために過剰摂取に陥ったり、その結果としての肥満となる人々が増えています。

とくに空腹時のご褒美食べは要注意です!空腹状態で甘い食べ物を繰り返し摂取すると、脳内のドーパミン量がさらに増大することがわかっています。

脳内の働きが過剰になってしまい、美味しいものが食べたいという欲求が抑えにくくなると考えられます。
さらに、過剰摂取する人は、満腹感も感じにくくなっています。

摂食へのブレーキとなるさまざまな脳・生理機能がうまく働かず、結果として満腹感も生じないため、食べることをコントロールできない状態であることも考えられます。

つまり過剰摂取とは、心理的、生理的なメカニズムにおいて、食へのアクセスの増大とブレーキの不調が同時に起こっている状態と言えるでしょう。

高嗜好性飲食物の摂取とストレスとは関係が深いと示唆されています。

高嗜好性食物の摂取に基づく快情動によってストレス由来の不快が軽減・抑制されます。

ストレス解消や気持ちを満たすための食を「情動性摂食」と呼びますが、ストレスへの対処として情動性摂取を繰り返すと、「ストレス解消の手段としての食事」という行動自体が強化されてしまいます。

それが反復されると、「ストレス→食べる」というプロセスが習慣化し、それをコントロールしにくくなります。

見た目や匂いでも刺激となり、「食べたい」という欲求が生じます。

このような外的手がかりに基づく摂食を「外発的摂食」と呼びます。

高嗜好性食物は、脳内ドーパミン量をより増やすことによってこの学習プロセスをさらに促進させます。

日々の食生活で美味しいものを食べるのは嬉しいことであり、人生の楽しみでもあるでしょう。

その行為がすべて不適切というわけではなく、自分でコントロールできる範囲で美味しいものを食べる分には問題ありません。

しかし、ストレス対処として、美味しい食べ物を繰り返し食べ続けると、脳の働きが強まってしまうので、見た目や匂いによって「食べたい!」という欲求が異常に高められてしまい、必要以上に食べ過ぎてしまうことになります。

見た目や匂いに刺激されて「食べたい」欲求を感じても、食べずに少しだけ体を動かしたり、趣味を行ったりすることで、ストレス対処行動としての食事を繰り返さないことが大事です。

つまり、摂食行動は、メンタルヘルスや生活スタイルともかかわりやすいので、生活全般の質向上の視点からも考えるべきなのです。

この時期、とくにストレスを食にぶつけないようにみなさん気をつけましょう!

 

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