子どもにあわせた歯磨剤(歯磨き粉)の選び方

こんにちは。
栃木県宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の飛田です。
10月に入り、少しずつですがやっと涼しくなってきましたね!
さて、今回は子どもにあわせた歯磨剤(歯磨き粉)の選び方についてお話したいと思います。
みなさんはどのようにしてお子さんの歯磨剤を選んでいますか?
子ども用歯磨剤の種類だけでも沢山あるので何を基準に選べばいいのか迷ってしまうと思います。

できるだけ子どもにとって安心できるものを選んであげたいですよね。

まず、①つ目はフッ素配合であることです。
フッ素はう蝕(虫歯)予防効果があります。

そのため、歯磨き時にフッ素配合歯磨剤を利用した方が、う蝕予防効果が高くなります。

生えてすぐの歯はフッ素を取り込みやすい時期でもあるため、丈夫で強い歯にするためにもフッ素配合歯磨剤を使うのが効果的です。

歯磨きではすべての細菌を歯の表面から取り除くことはできません。
とくに小窩裂溝(歯の溝)や隣接面は歯ブラシが届きにくく、う蝕発生リスクは高いです。
しかし、フッ素配合歯磨剤はそのような部位にも行き届きます。
そのため、どのような歯磨きのテクニックを持つ人であっても、歯磨剤をつけないカラ磨きよりは、フッ素配合歯磨剤を利用した方がう蝕予防効果が高くなるのです。その予防率は30~40%です。
ちなみに、フッ素配合歯磨剤やその他のフッ素応用には、成人や高齢者のう蝕の予防効果もあり、根面う蝕に対しても67%の予防効果が報告されています。
この歯磨剤は他のフッ素応用とかさねて使う機会が多くなります。
フッ化物歯面塗布との複合応用によって、歯面塗布のみの群に比べ乳歯虫歯の減少率65%が認められています。

フッ素は「モノフルオロリン酸ナトリウム」や「フッ化ナトリウム」として記載されていることもあります。

配合成分を確認するときは、参考にしてくださいね。

②つ目は成長・状態別に安全で効果的なフッ素濃度は異なるということです。
歯磨剤のフッ素濃度は、高いほどう蝕予防効果が高いですが、フッ素配合歯磨剤の量と濃度を歯の萌出状況や年齢によって変えていくことで、安全かつ効果的に利用できます。

まず、6ヶ月(歯の萌出)~5歳はフッ素濃度500ppm(泡状歯磨剤ならば1000ppm)の歯磨剤を推奨しています。
うがいのできない3歳未満児には、研磨剤を含まないジェルタイプのものをおすすめします。
うがいが出来るようになった頃から、ペーストタイプを使うのもおすすめです。
6~14歳はフッ素濃度1000ppmの歯磨剤です。
15歳以上(成人・高齢者含む)はフッ素濃度1000~1500ppmとされています。

WHOによると、フッ素濃度1000ppm以上の場合、500ppm上昇するごとに虫歯の予防効果が6%アップすることが実証済みです。

歯磨剤の使用量とすすぎの水の量も上の表を参考にしてくださいね。歯磨剤の量やすすぎの水の量が多すぎたりしていませんか??
乳幼児期は、永久歯が顎の中で形成されています。
特に,審美的に問題となる上顎中切歯が歯のフッ素症(歯の表面が白くなる発育不全)にかかりやすい臨界期は1 歳から3 歳の間です。
この時期にフッ素を過剰に摂取した場合、歯のフッ素症が生じる可能性があります。
年齢に合わせた適正量を守って使用しましょう。
③つ目は研磨剤や発泡剤を含まないものが理想的です。
あるいは、配合量の少ないものを選びましょう。

研磨剤は歯の表面を削る作用があり、発泡剤は泡立ちを良くするために含まれるもので、どちらも子どもの口腔内には刺激が強すぎるのです。

その他にも、有害性が疑われている人工香料や着色料を含まず、天然成分主体のものもおすすめです。
効果が同じなら子どもが好きな味を2つくらい用意しておくと歯磨きを嫌がった時など興味を引きやすくなります。
お子さんの歯磨きにぴったりなものを見つけてあげてくださいね!