「最近、硬いものが食べにくくなった」「お茶や汁物を飲むとむせることがある」と感じることはありませんか?
こうしたお口のささいな衰えは、「オーラルフレイル」のサインかもしれません。
オーラルフレイルとは、口の機能が健常な状態、いわゆる「健口」と、「口の機能が低下した状態」との間にある段階をいいます。
オーラルフレイルの状態になると、将来的なフレイルや要介護認定、死亡のリスクが高くなることが分かっています。
オーラルフレイルのチェックリスト
まずは、ご自身のお口の状態をチェックしてみましょう。
- 自分の歯が19本以下
- 半年前と比べて硬いものが食べにくくなった
- お茶や汁物でむせることがある
- 口の乾きが気になる
- 普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある
5つの項目のうち、2つ以上に該当する場合はオーラルフレイルに当てはまります。
「年齢のせいだから」と見過ごしてしまいがちな変化ですが、早い段階でお口の機能低下に気づくことが大切です。
オーラルフレイルがお口や身体に及ぼす影響
硬いものが食べにくくなると、どうしても柔らかい食事を好むようになります。
柔らかいものばかりを食べるようになると、噛む回数が減り、お口周りの筋肉を使う機会も少なくなります。その結果、さらに咀嚼機能が低下するという悪循環につながることがあります。
また、お口の機能が低下すると、食べられるものが限られ、十分な栄養を摂取しにくくなることもあります。
お口の健康は、食事や栄養、身体機能を維持するうえでも重要です。
オーラルフレイルは改善を目指せます
「年齢によるものだから仕方がない」と思っていませんか?
オーラルフレイルは、加齢などによって口腔機能が低下し始めている状態です。早めに気づき、適切な対策を行うことで、口腔機能の維持・改善を目指すことができます。
今回は、ご家庭でも簡単にできるお口の体操を2つご紹介します。
テレビを観ながらでも構いません。毎日の生活の中に「ながら体操」として取り入れてみましょう。
舌の力を鍛える「舌圧訓練」
舌の力を鍛えるための簡単なトレーニングです。
- 舌を左頬の内側に強く押し付けます。
- 頬の上から指を当てます。
- 指で押し返しながら、それに抵抗するように舌を頬の内側へゆっくり10回押し付けます。
- 右側の頬でも同じように繰り返します。
無理に力を入れすぎず、ご自身のできる範囲で行いましょう。
飲み込む力を鍛える「ベロ出しごっくん体操」
次は、飲み込む力(嚥下機能)を鍛えるための体操です。
やり方は簡単です。
舌を少し出した状態で口を閉じ、そのまま唾液を飲み込みます。
毎日のちょっとした時間を利用して、お口の機能を維持する習慣をつけていきましょう。
オーラルフレイルを予防して健康な毎日を
フレイル予防では、「栄養」「社会参加」「運動」の3つが大切な柱とされています。
これらはそれぞれ独立したものではなく、互いに影響し合っています。
栄養面から身体を支え、趣味や仕事、ボランティアなどを通じて社会とのつながりを持ち、適度な運動によって身体機能の維持・向上を目指すことが、フレイル予防につながります。
そして、食事や会話を楽しむためには、お口の健康を維持することも欠かせません。
「噛みにくくなった」「むせることが増えた」「口が乾きやすい」など、以前とは違うお口の変化を感じたときは、そのままにせず歯科医院へご相談ください。
日頃からお口の状態にも目を向けながら、健康で充実した毎日を過ごしていきましょう。
栃木県宇都宮市
医療法人社団美歯会 みろ歯科宇都宮診療所
歯科衛生士 清野亜由美