こどもの歯磨き粉の選び方
フッ素入りの歯磨き粉を選びましょう
歯磨き粉は、フッ素入りを選ばれることをおすすめします。歯磨き粉の成分表示に、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズと表示のあるものがフッ素です。フッ素の濃度が低くなければ、どのフッ素でも効果は同じです。
フッ素は、市販されている子供用歯磨き粉のほとんどに含まれており、一定の虫歯予防効果があります。
フッ素の種類 | 特徴 | 主な製品 |
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モノフルオロリン酸 ナトリウム(MFP) |
最も使われているフッ素です。
一部の製品を除いて、歯磨き粉のフッ素濃度は900~1000ppmとなっています。 |
ライオンこどもハミガキ こどもクリアクリーン |
フッ化ナトリウム | Doクリアこどもハミガキ クリニカライオンKids |
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フッ化第一スズ | 茶渋が付きやすくなるため、あまり使用されていません | Home Gel |
低濃度ではなく普通のフッ素入り歯磨き粉にしましょう
保護者の方から「低濃度のフッ素入り歯磨き粉のほうがよいのですか?」と時々ご質問を受けます。
フッ素の利用が盛んな欧米諸国などでは、6歳以下の小さな子供はフッ素を摂りすぎる危険性があるため、フッ素の濃度が500ppm以下のフッ素入り歯磨き粉が推奨されています。
フッ素の利用が殆どおこなわれていない日本では、虫歯予防効果の低いフッ素の濃度が500ppm以下の歯磨き粉ではなく、フッ素の濃度が900~1000ppmの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。
製品名 | フッ素濃度 | 特徴 |
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DENT Check-UP gel バナナ | 500ppm | 歯科医院専用(当クリニックでは販売していません) |
レノビーコ | 100ppm | フッ素が入っている唯一の液体歯磨き粉 |
こども薬用デンタルペースト、ジェル | 450ppm | 赤ちゃん本舗で販売 |
フッ素を無駄にしないようにしましょう
フッ素入り歯磨き粉を使用すると、歯磨きが終わった後も、しばらくの間は口の中にフッ素が残留して虫歯予防効果を発揮します。そのため、歯磨き後のうがいを過度にしたり、歯磨きが終わってからすぐの飲食は、フッ素の効果を半減させてしまいますので、避けましょう。
うがいができないときは
歯磨き粉を飲み込むことが多かったり、うがいができない時は、まだまだ歯磨き粉を使うのが早いかもしれません。そのような時は、フッ素洗口液を歯ブラシにつけて磨く「フッ素液磨き」や「レノビーコ」を使用するとよいでしょう。これらの方法はフッ素の濃度が低いため、飲み込んでも問題はありません。
フッ素液磨きは、歯科医師の間でも殆ど知られていない方法ですが、とちぎ健康21でフッ素液磨きを推奨するなど、少しずつ普及しつつある、安全で効果の高い虫歯予防方法です(詳細はスタッフにお聞きください)。
歯磨き粉を嫌がるときは
うがいができるようになっても、歯磨き粉を嫌がるお子様がいます。そのような時は、アンパンマン、ミッフィー、ミッキーマウスなど、お子様が好きなキャラクターの入った歯磨き粉を使用するのも一つの方法です。
また、どうしても歯磨き粉を嫌がるときは、フッ素洗口(フッ素の入った水でのブクブクうがい)だけでもおこなうとよいでしょう。
歯医者さんで販売されている歯磨き粉と市販の歯磨き粉の違いは?
日本では薬事法によって歯磨き粉のフッ素の濃度は1000ppm以下と定められています。ですので、歯科医院で販売されている歯磨き粉だからフッ素の濃度が高いというわけではありません。
ただ、歯科医院で販売されている歯磨き粉は、虫歯予防を第1に考えてつくられています。ペーストが液体に近いため歯の隅々までフッ素が届きやすい、泡立ちにくく味がしないため長く磨ける、しっかり磨けるといった利点があります。
その反面、市販の歯磨き粉に比べると味がしないためつまらない、香料(主にミント)が入っていないためにスーッとした感じがせず、磨いた感じがしないという欠点もあります。