みろ歯科ブログ

2019/07/24:歯周病と喫煙について

皆さんこんにちは。
宇都宮市みろ歯科医院歯科衛生士の佐藤です。

今回は歯周病と喫煙についてお話しさせていただきます。

健康に良い生活を送ることが、歯周組織の健康にも大事です。
睡眠、ストレス、食事、運動、嗜好品など様々な食生活習慣(環境)が歯周病に影響を及ぼします。

その中で、歯周病最大のリスク因子は喫煙です。
タバコにはニコチンをはじめ、様々な毒性物質が含まれています。
タバコが歯周組織を激しく破壊し、実際の歯周炎症は乏しいにもかかわらず、歯周炎は静かに確実に進行します。
その治癒には禁煙が必須となります。
血液は歯周組織に栄養と酸素を運んでいます。

しかし、ニコチンの血管収縮作用により血流量が減少し、栄養供給が抑制されます。
さらに、タバコ由来の一酸化炭素は酸素よりも強くヘモグロビンに結合できるので、酸素とヘモグロビンの結合が阻害され酸素不足となります。
栄養と酸素の不足により歯周組織は弱ります。
一方、歯周ポケット潰傷面からの出血は少なくなるため歯周病の発見が遅れます。
栄養と酸素不足により、様々な細胞機能が不調となります。
また、タバコ有害成分により炎症性サイトカインが過剰に産生され、骨吸収が進みます。
さらに、血管や繊維芽細胞の障害により組織の修復や治癒能力が低下します。
そのため、喫煙者の歯周組織は破壊されやすく、修復されにくい組織になります。
歯周ポケットからの出血が減るのでバイオフィルム(歯垢が口腔内に長時間留まって膜のようになったものが「バイオフィルム」です。
歯垢は食後の歯みがきで取り除くことができますが、膜のようになって歯に付着しているバイオフィルムの状態になると、歯科医院のクリーニングでないと取り除くのが難しくなります。
菌はある程度抑制されますが、それを上回る歯周組織の弱体化により、歯周病は進行します。
また、歯周組織の治癒は悪く、歯周治療の効果が得られにくくなります。
そしてタバコはバイオフィルムを堅く剥がれにくくします。
タバコの化学成分は歯周病菌の増殖を促進するだけでなく、病原性も高めます。
ポケットからの出血が減って菌が抑制されるはずですが、その抑制をタバコが帳消しにしようとします。
さらに、喫煙者では唾液の分泌量が低下し、唾液による抗菌作用が十分に働かず、バイオフィルムや歯石の増加につながるとも考えられています。
受動喫煙者でも非喫煙者に比べて歯周病が多いという報告からも、タバコの歯周組織への影響がいかに大きいかが分かります。
禁煙は歯周治療の効果を高めます。禁煙者は喫煙者と比較して、歯周基本治療後3ヶ月くらいで歯周ポケット深さの減少が大きくなり、1年経過するとそれが確実になるという報告があります。
しかし、歯周病リスクが非喫煙者と同レベルになるには禁煙後10年必要と言われています。

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