みろ歯科ブログ

2019/04/10:乳歯列完成期までのお口の悩み

こんにちは。
宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の伊藤です。

今回は乳歯列完成期までのお口の悩みについてお話ししたいと思います。

生まれてから乳歯列完成期(2歳9ヶ月頃)までの時期の子供の発達は、目を見張るものがあります。
出生直後には、手や足の指を動かし、泣き、哺乳をするなどの動きしかなかった赤ちゃんが、1つひとつの経験を通して成長を重ねら乳歯列が完成する頃には、ジャンプしたり、おしゃべりしたり、友だちとも遊べるようになってきます。
赤ちゃんから子供へ変化していく約3年間、めまぐるしく成長するわが子が次の段階へ進むたびに保護者は新しい課題をつきつけられて、それにともなう心配事も抱えています。
心配事を解消したい気持ちから情報を求めるのですが、乳幼児との生活では外出が難しいことから、インターネットや雑誌などがそのよりどころとなり、情報が偏りがちです。
実は、保護者が抱える心配事には、口に関するものが多く含まれていますりにもかかわらず、乳歯未萌出の時期や、数本乳歯が見えているくらいの時期には、自治体での歯科検診が行われる程度で、歯科との関わりはごくわずかです。
それ以外のことにも着目して、お話ししていきたいと思います。

Q1
ちゃんと仕上げ磨きをしてあげたいのに歯磨きを嫌がるんです!
A 1
まずはなぜ嫌がるのか、理由を考えてみましょう。
1、痛いから
歯磨きによる痛みがあるために、嫌がっているのかもしれません。
・口角をひっぱっている
「奥歯まで磨き残しがないように」と口の中をしっかり見ようとするあまり、口角を引っ張りすぎていませんか?大きく開けて張っている状態の口角をさらに引くと、痛みにつながりやすいです。
・磨く力が強すぎる
磨く時にシュッシュッと勢い良く力を入れすぎていませんか?子供用歯ブラシは毛が短く、あまりしならないため、同じ力であっても大人用の歯ブラシよりも痛みを感じやすいです。これを防ぐためには「試し磨き」をお勧めします。保護者自身の口で試しに磨いて、力加減をチェックしてみましょう。
・歯ブラシの毛先が開いている
毛先の開いた歯ブラシを使っていると、先端が頬粘膜に触れてチクチク痛いことがあります。また、子どもは成人に比べて口の中にある小帯が高い位置にあるため、ブラッシング時に傷つけやすいので、擦ってしまってないかどうか確認が必要です。

2、苦しいから
磨いている間の子どもの様子をよく観察してみましょう。ブラッシング時にはたくさんの唾液が出てくるので、お母さんが真剣に磨いている間、唾液を飲んだり呼吸をすることさえ子どもは我慢しています。
「唾液を飲みたそう」「息をしたいかな?」という様子を見計らい、歯ブラシを口から出して、お母さんも一呼吸しましょう。

3、じっとしているのが嫌だから
歯を磨くことでなく、「磨くために横になる事」「動かないでじっとしている事」が嫌なのかもしれません。短時間で磨き終えることができるように、日常の遊びの中で、子どもの歯がどこに何本あるのか、どのくらい奥まで歯ブラシを入れられるのかなど、横になって口の中を子供と一緒に観察してみると良いでしょう。遊びながら行う事で、子ども自身が横になることに慣れるだけでなく、口に興味を持つことも期待できます。
どうしても遊びたくて途中までしかできなかった時には、次のチャンスでは残りの部位から始めるなど、いつも同じ部位しかできないことのないよう工夫しましょう。

Q2
前歯でかじれず、食べ物を口に詰め込むんです。
A 2
一口サイズに切って与えるのは逆効果。食感を得やすい食材から、かじり取りをさせてみましょう。

1、なんでも一口サイズにしてあげていませんか?
私たち成人が食べる時には、自分の口にちょうどいいサイズを前歯でかじり取り、それを臼歯ですりつぶすという一連の動作を行なっています。子どもは、自食(介助なしに食べること)を始める時期に、手の動きや口の動きの練習を繰り返しながら、この「自分でちょうど良い量をかじり取って食べる」という機能を獲得しています。
前歯には、口唇で触れながら自分の一口量を決めてかじり取った感覚が歯根膜から脳に伝わり、その後の「噛む」動きにつながっていきます。「食べやすいように」「こぼれないように」と食物を一口サイズにして与えてしまうと、前歯でのかじり取りを習得する機会が失われてしまいます。

2、かじり取りが食べる機能を育てる
口の中に食物を詰め込んでしまってかじる取ることができない時期や、詰め込むことが必要な場合は、保護者が食材を手に持ち、それをかじり取る経験をさせることから始めましょう。繊維質の少ない食材や、赤ちゃん用せんべいなど、食感を得やすいような食材を使用することで、子どもの自身がつき、かじる感覚にも慣れていきます。慣れてきたら、子ども自身に食材を持たせて、手づかみでのかじり取りに進みましょう。1人で食べると詰め込むようであれば、保護者が手を添えて一口量をサポートすると良いでしょう。

Q3
指しゃぶりが気になります。
A 3
お口の機能の発達のために欠かせない行為です。乳児の頃から目くじらをたてる必要はありません。

1、機能を発達させるための大切な刺激
生まれたばかりの乳児は 1〜 2ヵ月かけて自分の指を口に持っていけるようになり、さかんに指しゃぶりを始めます。指を舐めたり、拳ごと口に押し込む様子も見られます。さらに手にものを握れるようになる 3〜4ヵ月には、手にした玩具やタオルなどを口やその周囲に触れさせ、自らの指だけでなく、手にする様々なものに興味を持ち、口にすることが増えます。

2、歯列不正への影響を考慮して4歳頃にら卒業を
とはいえ、上顎前突、開口など、指しゃぶりが歯列へ影響を与える可能性があるのも事実です。歯列への影響を考慮すると、乳歯が放出かいししてから生えそろう4歳くらいまでを目安に、徐々に止めるようにしてみましょう。眠い時や退屈な時、不安や緊張のある時などに一時的に指しゃぶりをするようならば、子どもの心理状態などに配慮することも大切です。
よんさいくらいになっても、「常に指しゃぶりをしている」「指にタコができる」など、頻度が高く習慣化しているようなときには、専門家(小児科医、小児歯科医、臨床心理士)にそうだんしてみましょう。

生まれてから乳歯列完成期までの期間は、保護者にとって新しい家族を迎え、子どもとの関係を築いているじきでもあります。わが子を知ろうとして、「標準」「平均」「理想」と言った言葉や、他の子どもの様子などに敏感になり、心配事につながることもあります。しかし、日々成長する時期だからこそ、個人差が特に大きい時期でもあるのです。
乳歯列が完成する頃には、保護者が子どもの食や口の健康について自身とゆとりをもって生活できていることを目標にしていけるといいと思います。

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