みろ歯科ブログ

2019/01/23:世界の子どもの歯科事情①

こんにちは!宇都宮市みろ歯科受付鈴木です。

さて、私の近況というと1か月に1回はケーキを作っています。

先日はりんごのアールグレイのロールケーキを作りました。
ロールケーキって生地を作って、巻く作業がすごく難しくて・・・巻きをきつくしすぎるとクリームが脇から出てきてしまうし、緩いとお店で売っているような丸みのあるフォルムにならなしと、ホールケーキを作るより難しいと思います。
とりあえず、製菓もまだまだ学ぶことがたくさんあるので、いろんなケーキの基礎を学べるように頑張っていきたいと思います。

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日本でもいろいろな口腔保健事業が推奨されていますが、今回は世界の歯科事情に目を向けていきたいと思います。
まず初めに一番近い隣国、韓国の歯科事情についてお話していきたいと思います。

韓国の正式名所は大韓民国。
首都はソウルです。
人口は5127万人(2016年現在)です。
日本では開業医が地域における公衆衛生業務を担当しているので、保健所・保健センターなどで実施される乳幼児・学校保健活動は、地域で開業してる歯科医師が主役となって活躍しています。
しかし、韓国の公衆衛生事業は、保健所勤務の公務員の歯科医師、歯科衛生士によって運営・実施せれているので、開業医が関与することはないそうです。

韓国の保健福祉部、口腔・生活衛生科は、毎年口腔保健事業の指針を発行しています。
政府の政策指針は、「予防中心の生涯にわたる歯・口腔の健康管理システムの強化によって、国民の口腔健康寿命の延長および口腔健康関連のQOLの向上を目指すこと」です。
口腔保健法及び健康増進法に基づいて、韓国は以下のような小児歯科関連の事業が実施されています。

① 水道水フロリデーション
1981年から水道水フロリデーションが実施されています。
21都市の26施設で実施されていて、フッ化物イオン濃度は0.8ppmに調整されており、う蝕抑制率は30~40%と報告されています。
事業遂行主体は、市・道あるいは市・郡・区で、国からの補助金は70%です。

② フッ化物洗口事業
水道水フロリデーション未実施地区の小学校および特別支援学校の1~2年生の児童が対象です。
学校では口腔清掃の実施を推奨していますが、フッ化物洗口の追加して実施することでう蝕予防効果を最大限に高めて、児童自身が口腔の健康管理ができる能力を身につけることを目的としています。
洗口事業は市・道及び管轄地域の保健所が主体となって、国から補助金(薬品代は100%、溶液の分配機は50%)をもらって実施しています。

③ 口腔保健センターによる事業
歯科診療所の少ない地域では、住所に口腔保健サービスを提供するため、保健所に口腔保健センターが設置されています。
規模が最も小さいセンターにおいて診療チームとして歯科医師1名、歯科衛生士1名、口腔保健事業チームとして歯科医師1名、歯科衛生士4名が配置されています。
センター内には歯科診療室があり、住民に歯科診療や保健指導を提供しています。
また、管轄内の学校口腔保健室へ歯科医師や歯科衛生士を派遣して、小学校児童にシーラントやフッ化物塗布を行ったり、健康教育を実施したりしています。
このような口腔保健室が設置された学校は韓国内に600校以上あります。
さらに、口腔保健センターでは歯科診療所へのアクセスの悪い地域に歯科移動診療車を派遣して歯科治療を提供しています。

韓国の12歳児のDMFTは(DMFTと呼ばれる虫歯を経験した歯の数を意味する歯科学の用語)、0.6歯(1972)→3.3歯(2000)→2.2歯(2006)→2.1歯(2010)と推移しており、2000年以降は減少傾向を示しています。
フッ化物の応用を進めてきたこと、また、学校での歯科保健プログラムの導入の成果だと考えられています。

・韓国の公的医療保険制度
韓国が国民皆保険制度となったのは1989年です。
1999年に国民健康保険法が制定され、現在はすべての国民が国民健康保険に加入しています。
歯科治療に関して、保存処置、外科処置は保険に含まれていますが、補綴治療は保険診療には含まれていません。
そのため、歯を喪失し、義歯などが必要になっても歯科治療を受けられない高齢者が多いことが問題でした。
そこで、2012年より、75歳以上の高齢者の総義歯に関しては保険給付が行われることになりました。
歯科診療所で治療を受ける場合、成人患者の本人負担金は総額の30%です。
しかし、歯科病院で治療を受ける場合、都市部では総額の40%、治療では35%と異なっています。
また、6歳未満の小児の場合、自己負担金は成人の70%と低く設定されています。
韓国では、歯科医療機関からの保健診療の請求などは、すべてオンラインで行われており、患者の口腔内の状況、処置内容などをPC画面上に入力して請求するようになっています。

・韓国の小児歯科クリニック
診療で水平位になってとき、子どもの目に入る位置にかわいい動物を配置したデンタルチェアを使用している診療室がたくさんあります。
ソウル大学歯学部付属病院の小児歯科外来には、入り口に風船でできた人形が置いてあり、壁にはカラフルな絵が描かれており、子どもたちがリラックスして歯科医療が受けられるような配置が行われています。

・体験学習型の歯科健康教育の取組み
ソウル大学では子どもと保護者を対象に、有料の体験学習型歯科健康教育プログラムを提供しています。
これは、歯は口腔の重要性を体験学習し、予防の大切さを学ぶプログラムです。
学校が休みとなる夏期・冬期・春期に実施されており、大学内にあるデンタルミュージアムと連携して提供されています。
1回の所要時間が約3時間で、10~15名単位で実施しています。
参加費用は、初心者コースは15000ウォン(約1500円)、アドバンスコースは20000ウォン(約2000円)です。
楽しく歯の健康について学べるこのプログラムはいつも満員で、人気があります。

・2080の口腔ケア製品
韓国のスーパーマーケットの一角にある口腔ケア製品のコーナーで、「2080」と大きく書かれた歯ブラシや歯磨き剤が販売されています。
歯磨き剤にはいろいろな種類があり、知覚過敏抑制効果やホワイトニング効果を謳ったもの、また、フッ化濃度を通常の1/2にした「2080キッズ」という名前の子ども用の用品などもあります。
これらはすべて韓国の「エギョン社」の製品です。「2080」の説明として、「20本の健康な歯牙を80歳まで」と、日本の8020運動と同様の説明が韓国語や英語で記載されています。(「8020運動」は、1989年にわが国が疫学研究の研究に基づき提唱して成人のための口腔保健目標)

このように、韓国では小児歯科関連事業は口腔保健法や健康増進法に基づいて国や地域レベルで実施されています。
日本と同じように公的な医療保険制度はありますが、歯科補綴治療は含まれないなど日本とは違った一面もあるようです。

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