みろ歯科ブログ

2018/12/05:入れ歯の取り扱い方

こんにちは。
宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の伊藤です。

今回は入れ歯の取り扱いについてお話しさせていただきます。
入れ歯の疑問についてQ&Aで書かせていただきます。

Q.入れ歯は人工物なので菌は繁殖しない。

A.× 人工物である入れ歯でも、菌は繁殖します。

歯に歯垢がつくように入れ歯にも付きます。
これをデンチャープラークと言います。
主な微生物はカンジダ菌です。
デンチャープラークは、虫歯、歯周病、義歯性口内炎、舌炎の原因になると言われています。
また、入れ歯の劣化にもつながります。
入れ歯の清掃目的は、デンチャープラークの付着によるさまざまな疾患を予防するためだけではなく、入れ歯の材料の劣化を予防するためであることも理解しましょう。


Q.入れ歯の洗浄は、入れ歯洗浄剤による化学的清掃を行っていれば十分。

A.× 機械的清掃を一切行わず、化学的清掃のみを行っても不十分です。

入れ歯清掃の基本は義歯用ブラシによる機械的清掃であり、義歯洗浄剤による化学的清掃は、機械的清掃による清掃不良や、ブラシの届きにくい複雑で細かいところの清掃を補うものとされています。
そのため、化学的清掃を行えば機械的清掃を行わなくていいわけではなく、併用することが望ましいです。


Q.部分入れ歯であれば装着したまま清掃してもいい

A.× 入れ歯を機械的に清掃する際は、必ず外して手に持って清掃しなければなりません。

入れ歯は複雑な構造をしています。
入れ歯を口腔内から外さず清掃しても、完全に清掃することは不可能です。
義歯を機械的清掃する時は、万が一、入れ歯を落下させても問題が無いように、水を張った洗面所のシンクや洗面器、もしくはタオルの上で洗浄します。
入れ歯は濡れると滑りやすくなるため、落とさないように手のひらで包み込むようにして持ちます。
そして、流水下である程度力を入れて義歯用ブラシを使用し、食物残渣やデンチャープラークを除去します。


Q.義歯洗浄剤は、できるだけ毎日使った方が良い。

A.○ 化学的清掃による洗浄効果を期待し、毎日使用することを勧めます。

本来、義歯洗浄剤は、義歯用ブラシと併用するものと解釈されてきました。
しかし、近年の義歯装着高齢者は、高齢に伴う視力低下、握力低下、手先の不自由さを理由に、機械的清掃が不十分になった結果、義歯の不衛生による健康被害が懸念されています。
つまり、義歯洗浄剤に頼らざるを得なくなっているのです。
時間が経つごとに細菌がふえていきます。
最低でも1日一回義歯洗浄剤を使用することで、デンチャープラークが増殖することなく、義歯を清潔に保つことができます。


Q.入れ歯安定剤は義歯洗浄剤で溶けるため、あえて除去しなくていい。

A.× ほとんどの入れ歯安定剤は水で洗い流されず、義歯洗浄剤につけても溶けることはありません。

入れ歯安定剤は、原則、1日に1回しようし、毎日替えるものです。
入れ歯を外した後、入れ歯安定剤は入れ歯だけでなく、口腔内にも残留します。
水で溶けることがないため、機械的除去をする必要があります。
入れ歯安定剤が残留すると、口腔内細菌の温床になるため、不衛生になります。
入れ歯に残留した入れ歯安定剤の除去方法は、機械的に指で剥がしてあ除去したり、乾いたガーゼ・ティッシュなどで拭って除去したり、義歯用ブラシを用いて流水下で除去したりと、入れ歯安定剤の種類により異なります。
一方口腔内に残留した入れ歯安定剤は、ガーゼ・スポンジブラシ・軟らかいブラシ等を用いて完全に除去しなくてはなりません。


Q.入れ歯の清掃には、天然歯と同様の歯磨き粉を使用してよい。

A.× 入れ歯を清掃する際、天然歯と同様の歯磨き粉を使用してはいけません。


基本的に入れ歯には義歯用歯磨きを使います。
一般的な歯磨き粉との大きな違いとして、義歯用歯磨きには研磨剤が入っていません。
もしも入れ歯の機械的清掃で研磨剤の入っている歯磨き粉を使用すると、入れ歯が傷つき、デンチャープラークが侵入・増殖し、結果として微生物の温床と化します。

以上のことに気をつけて清潔な入れ歯を使いましょう。

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