みろ歯科ブログ

2018/10/03:ドライマウスによる味覚障害

こんにちは。
宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の伊藤です。

先日ハロウィンのディズニーランドに行ってきました。
飾り付けや食べ物もハロウィン仕様になっていてとても可愛かったです。
パレードを見たりアトラクションに乗ったりしてハロウィンディズニーを満喫しました!

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ドライマウスによる味覚障害についてお話しします。

・味覚障害とは
味覚障害は、味が薄く感じる、味が全くわからなくなる、口腔内に何もないのに常に渋みや苦みなどを感じる、特定の味だけわからない、甘いものを苦く感じる、食べるといつも嫌な味がするなどといったように、味覚の低下や消失、異常がある状態を言います。

・自覚症状に乏しく、体調不良につながることも
味覚障害を主訴に耳鼻咽喉科を受診した患者さんの数は、1990年には14万人、2004年には24万人と1.7倍に増えています。
味覚異常感を自覚している人はたったの19.2%で、多くの人は「自分の味覚は正常」と思っていました。
このことから、味覚は五感のうち他の感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚)と異なり、自覚症状に乏しい傾向にあります。
さらに、高齢者を対象に味覚と健康について調べたところ、味覚が正常な人の93%が「体調良好」と答えたのに対し、味覚障害者の45%が「体調不良」と訴えていました。
味覚障害になると、食事が美味しく感じられないことから食欲不振になり、栄養が不足しがちになるため体調を維持することが難しくなると考えられます。
ほかにも、味を感じづらいため、より濃い味を好む傾向もあり、その結果、塩分や糖分を取り過ぎてしまい、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病につながる危険性があります。

・歯科がかかわる味覚障害の原因はドライマウス
一般に、味覚を感じるのは舌表面の味蕾だと思われがちですが、正しくは「味は味蕾で受容され脳が感じる」のです。
その時の気分や感情、過去の記憶(思い出)などによって味覚は変化しますし、口腔の状態や内臓の調子、嗅覚や視覚によっても影響を受けます。
すなわち、味覚は脳が感じる総合感覚なのです。
ですから、味覚障害の原因は舌以外に、内臓や脳、精神面、感覚器などにも見つかる場合があります。
その中でも、歯科がかかわる頻度が最も高い味覚障害原因は、口の渇き、すなわちドライマウスです。
味は唾液によって運ばれることから、唾液量が少なくなると味覚障害が起きやすくなるのです。
唾液分泌量と味覚障害の関係について、10分間ガムを噛んで分泌される唾液量を測定しました。
その結果、味覚正常者は全員基準値を上回っていたのに対し、味覚障害者は唾液分泌量の低下が見られました。

・ドライマウスと深くかかわるのは「小唾液腺」
唾液は、耳下腺、顎下腺、舌下腺から分泌されます。これらは「大唾液腺」として知られ、全唾液分泌量の90%を生産しています。
一方、「小唾液腺」の分泌量は全体の10%程度と少ないのですが、小唾液腺は歯肉を除く口腔粘膜のすべてに分布し、粘膜の保湿に直接的な役割を担っています。
最近の研究では、ドライマウスは大唾液腺よりもこの小唾液腺に関連することが示されています。
唾液は主に、自律神経のうち副交感神経の作用によって分泌されます。
自律神経には、緊張した時に心臓がドキドキしたり手のひらに汗をかいたりさせるはたらきをもつ「交感神経」と、リラックスした時に血圧や脈拍を下げ、呼吸をゆっくりにさせるはたらきをもつ「副交感神経」の2つがあります。
小唾液腺はとくに副交感神経の影響を強く受けることが分かっています。
人前で話す時など緊張すると口が渇き、話が終わってホッとすると口の渇きが戻ることなどは、自律神経と小唾液腺の関係がよくわかる例です。

・一般的なドライマウス治療の抱える問題
国内でシェーグレン症候群やガン治療によるドライマウスのみに保険適用されているドライマウス治療薬は、副交感神経を刺激することで唾液分泌を促進します。
しかし、薬の作用が全身の副交感神経にはたらくため、多汗、下痢、頭痛、ほてり、めまいなどの副作用もあります。
また、薬を使わずに唾液を分泌させる方法としては、唾液腺マッサージが知られています。
しかし、これは大唾液腺を圧迫することによって唾液を出す方法なので、肝心の小唾液腺からの唾液分泌は促進されません。

・副作用がなく、小唾液腺にはたらくドライマウス治療
唾液分泌作用がよく知られているレモンや梅干しのような酸味よりも効果的なうま味成分で唾液を出す訓練があります。
この訓練では、小唾液腺からも唾液が出るリズムがつくられ、味覚障害を含めたドライマウスの症状を改善することができます。

昆布だしのうまみ成分で唾液を出す訓練法
①細かく刻みを入れた昆布を、水500㎖に対し30gの分量で、一晩水に浸すか、中火で沸騰させないように煮出して、昆布だしを作り、ペットボトルや水筒に入れる。
②口の乾きを感じたときなどに、1日に10回程度、昆布だしで30秒間、口をすすぐ。そのまま飲んでも良い。

唾液が出づらくても、訓練を繰り返すことで出るようになります。
効果が出る目安は2週間程度。ただし、ヨウ素の過剰摂取が甲状腺機能を亢進してしまう可能性があるため、甲状腺機能亢進症では昆布だしの引用を控えた方がいいです。

このような方法で行うと副作用がなく安心できます。
ドライマウスでお悩みの方は試してみてください。

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