公式ブログ

BLOG

ミロ歯科公式ブログ

食後の歯磨きと酸蝕歯について

宇都宮市の歯医者さんが教える食後の歯磨きと酸蝕歯について

食後の歯磨きは大切!でも酸蝕歯には注意が必要

私たちの歯を健康に保つために、「食後の歯磨き」はとても重要です。食事をすると口の中に食べかすが残り、それが細菌のエサとなることで虫歯や歯周病の原因になります。そのため、食後にしっかりと歯を磨くことで、口の中を清潔に保ち、歯を健康に維持することができます。

しかし、食後すぐの歯磨きが、場合によっては歯に悪影響を及ぼすことがあるのをご存じでしょうか?特に「酸蝕歯(さんしょくし)」と呼ばれる、酸によって歯の表面が溶ける状態では、歯磨きがかえって歯を傷つけてしまうことがあります。そこで今回は、酸蝕歯と歯磨きの関係について詳しく説明し、正しいケア方法をご紹介します。

酸蝕歯とは?

酸蝕歯とは、食べ物や飲み物に含まれる酸が歯のエナメル質を溶かし、歯が薄くなったり、弱くなったりする状態です。通常、エナメル質はとても硬く、簡単に削れることはありません。しかし、酸にさらされると一時的に柔らかくなり、もろくなってしまいます。この状態で歯を強く磨くと、エナメル質が削られ、歯がどんどん薄くなってしまう可能性があります。

酸蝕歯の主な原因は、酸性の強い飲食物を頻繁に摂取することです。特に以下の食品には注意が必要です。

〈 酸性の強い飲み物〉 炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘系ジュース、ワイン

〈酸性の強い食べ物〉 レモンやオレンジ、酢を使った料理(ピクルス、ドレッシングなど)、トマト

〈 その他 〉 逆流性食道炎による胃酸の逆流、頻繁な嘔吐

これらの食品を食べた直後は、歯の表面が酸にさらされ、一時的に柔らかくなっています。この状態で歯ブラシを使うと、エナメル質が削れやすく、酸蝕歯が進行してしまいます。

酸を摂取した後の正しいケア方法

食後の歯磨きが大切なのは間違いありませんが、酸を摂取した後は、すぐに歯を磨くのではなく、正しい処置を行ってから磨くことが重要です。

1. すぐに歯を磨かず、30分〜1時間待つ

酸性の飲食物を摂った後は、歯の表面が柔らかくなっているため、すぐに歯を磨くとエナメル質を削ることになります。酸が中和され、エナメル質が再び硬くなるまで、少なくとも30分〜1時間ほど待つのが理想的です。

2. まずは水や牛乳で口をすすぐ

酸を中和し、口の中の酸性度を下げるために、水や牛乳で口をすすぐのがおすすめです。特に牛乳はカルシウムを含んでおり、歯の再石灰化を助ける働きもあるため、効果的です。

3. 唾液の分泌を促す

唾液には、口の中の酸を中和し、歯を守る働きがあります。酸を摂取した後は、キシリトール入りのガムを噛んだり、水分をこまめに摂ったりして、唾液の分泌を促すとよいです。

4. フッ素入りの歯磨き粉を使う

フッ素には、歯のエナメル質を強化し、酸によるダメージを軽減する働きがあります。歯を磨く際は、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、酸蝕歯の進行を防ぐことができます。

5. 優しく丁寧に磨く

強くゴシゴシ磨くと、エナメル質が削れやすくなるため、力を入れずにやさしく磨くことが大切です。また、毛先の柔らかい歯ブラシを選ぶと、歯に負担をかけずに済みます

まとめ

食後の歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するために欠かせない習慣ですが、酸蝕歯のリスクがある場合は注意が必要です。酸性の飲食物を摂取した直後の歯磨きは、エナメル質を傷つける可能性があるため、すぐに歯を磨かず、まずは水や牛乳で口をすすぐ、唾液の分泌を促すなどの適切な処置を行いましょう。そして、時間を置いてから、フッ素入りの歯磨き粉を使い、やさしく丁寧に歯を磨くことが大切です。

日々の歯のケアを見直し、正しい方法で歯を守ることで、健康な歯を維持していきましょう。

栃木県宇都宮市 医療法人社団美歯会 みろ歯科宇都宮歯科診療所

歯科技工士 西澤

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る