こどもの歯とおとなの歯(歯の生えかわり)
子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へのはえかわりは、6才ごろからはじまります。
はえかわりの時期や順序には個人差があるので、1~2年前後のズレは問題ありませんが、ご心配な点がある場合、保護者の方に詳しくご説明をしています。お気軽にご相談ください。
大人の歯(永久歯)と子どもの歯(乳歯)とはいろいろな点で違いがあります。
本数は永久歯が28~32本、乳歯は20本、色は乳歯の方が白っぽいことが多く、形は永久歯の方が大きく、また縦長です。
よくあるご質問
Q,乳歯がまだぬけないのに永久歯が生えてきた!
これは下の前歯では、よくおこる現象です。乳歯の下の前歯では、次の永久歯が作られる位置の関係で、まだ、乳歯が抜けていないのに、□の内側の方から永久歯の頭が出てくることがあります。
乳歯と永久歯との位置関係からエスカレーター萌出と呼ばれています。そのままにしておいていいかどうかは、お子様の成長具合にもよりますので、ご相談ください。
Q.乳歯がぐらついてきたら、抜いたほうがいいの?
歯は自然に生え変わるものなので、抜かなければいけないということはありません。ただ、生え変わりが極端に遅い乳歯や、乳歯の位置と永久歯の位置が大きくずれている場合だと、永久歯が生えにくかったり、歯並びなどに支障をきたすこともありますから、抜く場合があります。
他にも、生え変わりの左右のバランスが極端に違うときや、永久歯が見えているのに乳歯がなかなか抜けないとき、グラグラしている歯の痛みや腫れの症状が強い場合などは、抜くこともあります。
Q.永久歯の前歯にすき間があいていて不安。放っておいてよいのでしょうか。
生えたてのころは、正常であっても、前歯の間にすき間が生じることがあります。やがて横の歯が生え変われば押されて、すき間なく、きれいにならびます。専門家の間では、それまでの間を"みにくいアヒルの子"時代と呼びます(やがて白鳥のように、きれいな歯並びになることから)。
ただし、余分な歯があったり、指しゃぶりなどの癖がある場合は、放っておいても治らないこともあり、治療が必要な場合もあります。
生え変わりの時期は、歯肉が腫れやすいってホントですか?
A.本当です。生える前の歯は歯肉の中にありますが、歯の頭の部分は歯肉とくっついていないため、そこに空間ができて汚れが入り込み、炎症を起こしやすくなるのです。
歯の生え変わる時期には、よりていねいなブラッシングが必要です。子どもだけではきちんと磨けないことも多いので、保護者の方が仕上げみがきをしてあげましょう。
乳歯は白かったのに、生え変わった歯が黄色っぽくて気になっています。
永久歯は、乳歯よりもエナメル質の透明度が高いため、中の象牙質がやや透けて見えます。象牙質は少し黄色みを帯びているので、一般的に、永久歯は乳歯にくらべて、少し黄色っぽく見えます。
Q.生え変わり期に大切なことは? 注意点を教えてください。
生えたての歯は、むし歯になりやすく、生えてから約2年間は、とくに注意が必要です。この時期の口の中は、乳歯と永久歯が入り混じり、とても複雑ですから、汚れもたまりやすくなります。以前にも増して、ていねいな歯みがきを心がけてください。
また、歯科医院で定期的に検診を受け、歯みがきの仕方や生え変わりの進行をチェックし、フッ素塗布などの予防処置をしましょう。