乳歯の異常について
「歯がくっついて生えてきた」、「歯が生えてこなかった」などでビックリされた保護者の方は多いと思います。けれども、歯がくっついて生えてきたり、歯が生えてこないというのは決して珍しいことではなく、よく見られることなのです。以下はその説明です。ご参考になれば幸いです。
主な異常の発現率
癒合歯(歯と歯がくっついて生えてきたもの) |
4.1% |
先天性欠如(生まれつき歯がないもの) |
2.4% |
形成不全(歯の形が完成しないまま生えてきたもの) |
1.5% |
矮小歯(通常よりも小さい歯) |
0.4% |
癒合歯(ゆごうし、歯と歯がくっついて生えてきたもの)の発現する部位とその割合
上顎AB(上あごの1番前の歯と前から2番目の歯がくっついたもの) |
9% |
下顎AB(下あごの1番前の歯と前から2番目の歯がくっついたもの) |
45% |
下顎BC(下あごの前から2番目の歯と前から3番目の歯がくっついたもの) |
46% |
癒合歯の経過
癒合歯の部位 |
永久歯が生えてこない |
永久歯も癒合歯 |
上顎AB |
71% |
0% |
下顎AB |
11% |
1% |
下顎BC |
71% |
1% |
永久歯が生えてこなかったときは
永久歯が生えてこないお子さんは、少しずつ増えているといわれています。永久歯が生えてこないときでも
多くの場合は、永久歯の本数が足りなくてもきれいな歯並びになる、あるいは状態がよければ30~50歳くらいまで乳歯が残ります。
もしも、永久歯が生えてこないところに隙間ができたとしましても、矯正治療で歯を動かして隙間を埋めたり、ブリッジやインプラントなどの方法によって、きれいな歯並びをつくることはできますのでご安心ください。
※資料 歯科学報(東京歯科大学小児歯科学講座が日本人小児2733人を対象に調査をおこなったもの)