お口の健康ガイド

保護者の方からよくある質問 Q&A

Q、ハミガキを嫌がるのですが、どうしたらよいでしょうか?

ハミガキを嫌がるようになったきっかけを考えてみましょう。何か思い当たることはないでしょうか?嫌がるときに無理やり押さえつけて歯磨きをすると、余計な力が入って子どもは痛がり、ますます嫌がるようになります。その子どもに合ったブラッシングについて考えていきましょう。
ブラッシングは習慣づけなので、けっして嫌なものであってはいけません。むしろ「楽しく、気持ちのよいものだ」と子どもに刷り込むことが重要で、親が時間を気にしたり磨くことだけに重点を置くと、子どもは不快感を感じて嫌がるようになります。
したがって、ブラッシングを行おうとするときは、子どもの見ている前で親が楽しそうに(演技であっても)ブラッシングを行い、声を大にして、「ウ~ン、さっぱりして気持ちいい!」などと言い、けっして嫌なものではないことを理解させましょう。

一方、子どものブラッシングを行なうときは、子どものお気に入りの音楽を流すなどしてゆったりとリラックスできる雰囲気の中で子どもに話しかけ、上手にできたときは大げさにほめることが重要です。忙しい日常の中でほんの少しゆとりを持ってブラッシングを行ない、できることを強調して子どもをほめることが、親子双方にとって精神的によいことなのではないでしょうか。

生後5~6ヶ月の赤ちゃんはなんでも口へ持っていってしゃぶります。これは目と手の協調連動の学習と味や形、性状を学習しているので、この時期に歯ブラシを渡し、しゃぶらせたり噛ませたりすることは歯ブラシの感触に慣らすことができ、ブラッシングに抵抗なく移行できます。

さらに言語の理解力がついてきたら、「なぜ歯を磨かなくてはいけないのか」「どうなるとむし歯になるのか」について、脅かしではなく子どもにわかるようにやさしく正しい知識を与えることも重要です。
ブラッシングを嫌がる場合はなぜ嫌がるかを考えて対応し、会話が成り立つようになったら子どもの言い分に耳を傾けることも重要です。

Q、指しゃぶりはやめさせるほうがよいでしょうか?

指しゃぶりは長期間続けることによって出っ歯になったり、前歯の上下が噛み合わなく(開咬)なったりして、歯並びに影響を及ぼすことがあるので、年齢によってはやめさせたほうがよいでしょう。
指しゃぶりは胎児のころから行われているといわれ、授乳期の指しゃぶりや2歳未満の幼児が寝入り前に行う程度のものは問題ないと考えられています。
しかし、ある調査では、2歳児において指しゃぶりのない子どもと比較して指しゃぶりのある群では、出っ歯(上顎前突)が高頻度にみられ、3歳児ではこの傾向がさらに増大したという報告もあることから、指しゃぶりは小児歯科の立場からすると早くやめさせたほうがよいといえます。

しかしながら、早い時期に無理やりやめさせようとすると、指しゃぶりによって得られている精神的な安定が奪われ、ストレスが生じたりほかの癖が出現したりすることもあります。3歳過ぎてもやめない場合には声かけをしたり、寝入り前は本の読み聞かせなどで、意識をほかに集中させ指しゃぶりをしないように注意しましょう。

また3歳を過ぎたころには理解できる言葉が急激に増えるので、指しゃぶりが歯並びによくないことをやさしく話し、やめることを自覚させる方法が望ましいでしょう。

Q、乳歯が生えてきたのですが、歯と歯の間が開いています!

乳歯の隙間、俗にいう「すきっ歯」は異常ではありません。将来乳歯より大きな永久歯が生えてくるわけですから、隙間があっても心配はありません。

子どもの歯並びには歯と歯の間のすきまが多く認められますが、これは生理的な空隙で、永久歯との交換がスムーズに行われるための要素となります。そしてこの生理的な空隙がある歯並びを「空隙型歯列弓」、空隙の全くないものを「閉鎖型歯列弓」といいます。

生理的歯間空隙には、乳歯の上顎では前から数えて2番目と3番目(乳側切歯と乳犬歯)の間、下顎では前から数えて3番目と4番目(乳犬歯と第一乳臼歯)の間に認められる「霊長空隙」と、永久歯の顎の成長や生え変わりに伴って前歯(特に上顎)の歯列幅が成長拡大することによって生ずる「発育空隙」があります。これらの存在が正常な歯列弓の形成に必要なものなのです。

Q、乳歯がむし歯になってしまいました。永久歯に影響はありますか?

場合によっては、永久歯の石灰化や歯並びに影響することがあります。むし歯から感染して永久歯の歯胚に作用し、十分な石灰化を阻害したり形成不全を起こしたりする場合があります。またむし歯で乳歯が早期に喪失すると、後続永久歯が未熟で萌出したり隣在歯が傾斜したりする原因となり、歯列形成に影響を与えることがあります。やはり乳歯も大切にきちんと治療しておくべきでしょう。

さらに重要なことは、乳歯がむし歯になるような生活習慣と口腔内を引きずると、永久歯も同じ運命をたどるということです。乳歯のむし歯はそのことを教えてくれた健康シグナルです。いままでの生活習慣、特に食生活を見直し、セルフケアを見直すチャンスにしてください。

Q、歯医者さんをいやがって困ってます。

根気よく何回も通ってなれてみてください。子どもは日々刻々変化し、成長しています。自信がつくとある日突然、目を輝かせて治療できるようになります。子どもと歯科医とのなかだちになれるのが、歯科衛生士や助手、受付スタッフです。まず保護者とスタッフが親しく接して徐々に子どもと目線を合わせ仲良く接するようにスムーズにうちとけられます。

そんなとき別の形でなかだちをしてくれるのが、歯磨きです。急性炎症がないかぎり、むし歯によってあいてしまった歯の穴(齲窩)などもきれいに磨いていれば、痛みは出ず、時間を稼げます。ブラッシングを通して子どもと仲良くなり、治療につなげていきましょう。むし歯の進行が止まるような状態になれば、治療もそう急ぐ必要はなくなります。数ヶ月あければ、子どもは成長し、変化します。

保護者の方たちに伝えたいこと

むし歯予防は健康な育児そのものです。健康に育った子どもには当然むし歯もできていないはずです。それを歪めているのが現代社会や現在の生活なのかもしれません。

私たちからお母さんに伝えたいことはたくさんありますが、予防面では、
(1)子どもの生活リズムを規則正しく整える。
(2)甘い物に偏らずなんでもバランスよく食べられるようにする。
(3)飲み物で流し込まず、よく噛んで食べさせる。
(4)食べた後は歯磨きをする。
という4点です。

保護者の方には、治療はもちろん、何か相談ごとがあったら上手に歯科医院を利用していただきたいと願っています。