お口の健康ガイド

電動歯ブラシ

(1)電動歯ブラシを買う前に知っておきたいこと

電化製品です
電化製品であるため充電して使用します。

慣れるまで多少時間がかかります
音や振動があるので、慣れるまで多少時間がかかります。また、口に入れるだけで歯がきれいになるというわけではなく、的確に毛先を歯にあてる必要があります。

手用歯ブラシに比べると高価です

(2)手用歯ブラシと比較した電動歯ブラシの利点

・歯みがきの時間が短くてすみます。楽です。
・歯ブラシを手用歯ブラシのように動かさなくてすむので手が疲れません。
・手に障害をお持ちの方でも一定のプラーク(歯垢)除去効果があります。

(3)電動歯ブラシの選び方

電動歯ブラシは手用歯ブラシの数十倍の作業量がありますので、みがき方を誤ると歯や歯肉を痛めたり、歯がしみたりします。最近ではそういった欠点を補うために、長くみがけないように一定の時間が経過すると停止する機能、強い力でみがくのを防ぐ機能がついたものが販売されています。また、ブラシの長さ、形態、運動形式などによって、歯垢の除去効果が違ってきます。価格だけでなく、機能面で選ぶことが大切です。

主な電動歯ブラシ
製品名 製造元 販売元 コメント
ソニッケアー フィリップス 三井物産、ヨシダ 音波歯ブラシブームをつくったメーカー。
オーラルB ブラウン ブラウン 電動歯ブラシの老舗。種類が豊富。
ウルティマ 朝日医理科 東レ ファミリータイプは家族共用可能。
デントEXシステマ ライオン ウルティマと仕様はほぼ同じ。歯科医院専用。
ドルツ 松下電工 松下電工 強い力でみがくのを防ぐ機能がついている。
プリニア GC ドルツと仕様はほぼ同じ。歯科医院専用。

(4)電動歯ブラシの使い方

歯みがきの時間を短くしましょう
ほとんどの製品は、歯みがきの時間は2分を目安にしています。時間が経過すると自動的に停止するタイマーを内蔵しているものもあります。手用歯ブラシの数十倍の作業量がありますので、長い時間みがきすぎると歯や歯肉を痛める可能性があります。短い時間でみがくようにしましょう。

強くあてすぎないようにしましょう
手用歯ブラシに比べるとブラシ自体の動きがあるので、強く歯にあてすぎると歯や歯肉を痛め、歯がしみたり、歯肉が下がる原因になります。弱い力で適切にみがく必要があります。

歯ブラシを動かし過ぎないようにしましょう
超音波歯ブラシ以外は、ブラシを歯にあてるだけで清掃効果があるといわれています。ブラシの動きにつられて、手用歯ブラシのように歯ブラシを動かさないようにしましょう。

デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシも使いましょう
歯と歯の間の汚れは、電動歯ブラシを使用しても残ります。デンタルフロスや歯間ブラシも使用しましょう。

(5)電動歯ブラシのお子さんの使用について

簡単そうにみえて、電動歯ブラシの使用方法は、手用歯ブラシよりも難しいともいわれています。お子さんは電動歯ブラシでは十分に歯みがきができないことが多く、歯ブラシの重さが負担になったり、振動に負けてしまったり、強くみがき過ぎがちです。手用歯ブラシを使用されることをおすすめします。

(6)電動歯ブラシと手用歯ブラシのプラーク(歯垢)除去効果について

電動歯ブラシのほうが手用歯ブラシよりもプラーク除去効果はやや高いようですが(下図)、電動歯ブラシか手用歯ブラシかというよりも、使用している方のみがき方による差のほうが大きいといわれています。手用歯ブラシでしっかり歯みがきができている方は、電動歯ブラシでもしっかり歯みがきができているようです。逆に手用歯ブラシで歯みがきができない方は、電動歯ブラシでも歯みがきができていないようです。

資料:日本歯周病学会誌「電動歯ブラシと手用歯ブラシのプラーク除去と歯肉の炎症への効果」(2005年3月)手用歯ブラシと比較した電動歯ブラシ・音波歯ブラシの機能に関する重要な論文の結果を集計したもの。