みろ歯科ブログ

2018/08/01:「お口ポカン」 に注意

こんにちは。
宇都宮市みろ歯科、歯科衛生士の望月です。

暑い日が続きますが、体調は崩されていませんか?
今年は気温が高く体力も消耗しがちなので熱中症に気をつけ、夏を乗り切りましょう!

お口の病気では虫歯、歯周病が代表で知られています。
その他の問題点として顎の発育についてお話したいと思います。

一昔前までは、虫歯治療のために歯科に通院する子どもたちがほとんどでした。
近年では、お口の中の環境の向上と歯科医療の発展により虫歯は激減しています。

平成28年度の1人平均の虫歯経験値は12歳で0.2、14歳で0.6となっており、もはや虫歯に悩まされる時代ではなくなっています。

その一方で、歯並びの異常や口呼吸、睡眠時無呼吸症といった、これまでにはみられなかった問題が子どもたちの間で頻発しているようです。
その大元をたどってみると、顎の発育不全が関係しているかもしれません。

最近、小児歯科では以下のようなことが目につきます。

・鼻炎や鼻閉など鼻症状がある
・口呼吸
・噛まない、噛めない
・低年齢時からの歯並びの異常
・歯並びが狭いことの重症化
・お腹を突き出している
・表情に覇気がない
・あごを突き出している
・猫背
・骨盤が後に傾いている
・睡眠時無呼吸症
・アレルギー疾患がある

このような子どもたちのお口の中によくみられる特徴として、歯並びが狭くなり、歯が並ぶスペースが不十分である傾向があります。

歯並びが狭くなると、必然的に舌が機能を営むのに必要な隙間が狭くなります。
隙間が不足すると口呼吸が増えたり、夜間はいびきをしていて閉塞性睡眠時無呼吸症を引き起こしたりすることにつながります。
気道が閉塞することで、呼吸障害が起こります。
姿勢にも大きく影響します。

では、なぜ歯並びが狭くなったり、気道が閉塞したりしてしまうのでしょうか。
その一因として考えられているのが、顎の発育不全です。
歯並びは、顎が十分に発育して初めてきれいに並ぶものだからです。

初めて生えてきた乳歯の前歯に歯並びの異常が見られることも多くなった昨今、歯だけ見ていても顎の発育不全は改善できないということに至っています。

歯が生えるよりも前の胎生期~新生児期の発育が非常に大切です。

「顎の発育」が旺盛な時期は、新生児期(生後4週間まで)、乳児期(1歳まで)、幼児期(1~6歳)、学童期(6~12歳)の順です。
顎の発育は12歳までにほとんど済んでしまいます。

時期によって顎の発育不全の要因は異なります。

・胎生期~乳児期・・・斜頭に注意が必要です。頭蓋骨の変形が顎の形に影響します。

現在、1歳前後までなら頭の整形療法としてのヘルメット療法がありますが、頭の形がおもいどおりにできるということではありません。
各医療機関によって対応がさまざまで、まだ普及していないのが現状です。

・新生児期・・・頭の変形の一因として、不適切な寝かせ方や極端な寝ぐせが考えられます。頭の形は新生児期から乳幼児期の寝かせ方がもっとも影響を受けると考えられています。授乳期の赤ちゃんの寝かせ方を、右左の横向き寝と仰向け寝を交互に等間隔で変えることを推奨している助産師もいます。

・新生児期・・・新生児の顎は生後1ヶ月でもっとも成長すると考えられていますが、この時期の顎の発育に影響するもっとも大きな要因のひとつは、哺乳の方法だと言われています。

哺乳時には、乳首を深くくわえ舌の上に乗せて、下顎を前後させ、舌の運動で飲むのが正しい方法です。
しかし、乳首を浅くくわえた状態では、下顎と舌の運動があまり起きず、代わりに頬の筋力がよく使われます。
そうなると、顎が発育せず狭くなります。
永久歯が並ぶスペースを失うため、上下の前歯が、将来歯が重なって並んでしまう可能性が大きくなってしまいます。

・幼児期~学童期・・・今や社会問題といっても過言ではない「お口ポカン」の現象、口呼吸について現在までにわかっていることは、直立姿勢の悪い小児に多いということです。たとえば、スマートフォンやゲーム機などの画面を見ようと下を向くと、猫背で前方に頭を傾けた姿勢になります。

携帯電話を1日平均2~4時間下向き姿勢で使用する人は、年間では700~1400時間首に負担をかけていることになります。

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テコの原理で下顎は後方へ回転し始め、気道を圧迫してしまいます。
下顎は後下方に引っ張られ続け、口呼吸や睡眠時無呼吸症につながるのです。
そして、歯並びの異常だけでなく、さまざまなお口の病気の引き金になることも明らかになっています。

全身の健康に通じる、口の発達は大切です。

しかし、お子さん自身で気をつけることは難しいです。
顎の発育のために、周りにいるお子さんはどうかみて、早期発見につながればと思います。
医療は発展していくので、これからも勉強し伝えていきたいです。

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